よだれ鶏

「よだれ鶏」とは、四川料理の一つで、文字通り涎(よだれ)が出るほど美味しい鶏料理という意味である。中国では「口水鶏」と書き、中国・四川省出身の文筆家が著書のなかで「その美味しさを想像しただけで、よだれが出てしまう」と書いたことからその名がついたとされている。
最近は居酒屋なんかでも見かけるから、知っている人もそこそこいるのではないだろうか。謂わば、ブームになりつつ存在って感じだ。

はてさて一体どんな料理なのかと言うと、茹でた鶏肉を冷やして切り分けたものに、香辛料や薬味を入れた辛いソースをかけたものだ。辛さが食欲を刺激して、暑い夏にぴったりの前菜と言われている。
だが、過去にどこかの店で食べたことがあるけれど、期待したほどのものではなかった。正直、言うほど美味いかあ❓と思った。何か妙に余ったるいのである。酒呑みの身としては、変に甘い酒の肴は赦し難い。二度と食うもんかと思った記憶がある。

しかし、毎週月曜日、BS日テレで放送している『断ちごはん~和牛もいただきます~』を見ていて、何だか無性に作りたくなってきた。
この番組はゲストに大好物を1週間完全に断ってもらった後に、グルメ雑誌「dancyu」編集長が数ある名店の中から最もふさわしい料理を出すお店へとご案内。ゲストが満足すれば自腹でお支払いして戴くというコンセプトの番組である。
その日のゲストはモデルの押切もえで、お題は「餃子」であった。餃子なのに何でよだれ鶏❓と思った御仁も多いだろう。これが手の込んだ変化球で、自分も何でよだれ鶏❓と思った。
答えは、よだれ鶏をオーダーして、そのタレで餃子を食うと云うものだった。このよだれ鶏がマジで旨そうだったのだ。

先ずは鶏モモ肉を茹でるのだが、番組では沸騰したお湯だか白湯スープだかに鶏をブチ込んだら、火を消して余熱で火を通していた。これがギリギリ生ではないという究極の火入れだった。出演者たちが絶妙の柔らかさだと言ってたので、マジでヨダレが出たよ。

鍋に水と酒、塩、万能ネギ1本、生姜1片を入れて火にかける。沸騰したら鶏肉を入れる。今回は丹波の赤鶏を使った。火を消したら、鍋に蓋をして放置する。時々、触ってみて弾力で火の入り具合をチエックする。でも今イチわからん。だってプロじゃねえもん。おいちゃん、匙を投げる。
で、そのまま忘れてしまう。たぶん20分かなあ?それとも30分くらいかなあ?…それくらい経ったところで鍋から取り出して切り分けてみた。
ワオッd=(^o^)=b、奇跡的に最高の火入れになっていた。やっぱオイラって、まあまあ天才かもしんない。テキトーなわりに、ナゼか何でも上手くいっちゃうんだよなあ。

お次はタレ作りである。
醤油にチューブのニンニクと生姜を多めにブチ込む。そこに胡麻油、ラー油、黒酢、砂糖と鶏を茹でた汁をテキトーに入れてかき混ぜる。砂糖は少なめにした。甘くなるのを極力避けるためだ。ここに更にたっぷりの白ゴマと「やまつ辻田」の香り高い粉山椒を多めに入れる。本当は花椒を入れたかったのだが、切らしていたので代用に使ったけど、正解。やまつ辻田の山椒は香りが立っているからメチャメチャ美味いがな。

冷蔵庫で冷やした鶏を古伊万里に並べ、タレをかける。そして、芹を添える。ネギや三つ葉、香菜(パクチー)ではなく、セリをチョイスしたところが我ながらセンスあるぅ~(^-^)v
あまり知られていないが、セリと鶏肉の相性は抜群なのだ。水炊きなんかに入れると格段に1ランク上の大人の水炊きになる。

 

 
さあ、完成だ。美味しいものは美しいねぇ(^_^)

タレを存分につけ、芹と一緒に口に放り込む。
( ☆∀☆)うみゃーい❗メチャメチャ美味いやんかー。芹と胡麻の香りが鼻から抜け、鶏肉の旨みが口いっぱいに広がる。そして、あとから山椒の痺れが追いかけてくる。溜まらんなあ(о´∀`о)
わりかし簡単だから、酒呑みのオッサンもヒマをもて余している熟女の主婦も是非試されたし。至福のひとときが待ってまっせ。

そして、次回はいよいよこのタレで餃子を食ってみようじゃないか。さあ、餃子はどこのにしよっかなあ…。

                    つづく