チェンジング麺つゆ出汁

 
こないだ記事をアップした「胡瓜の麺つゆ漬け」だが、残り汁が勿体ないので、その後には形を変えて食卓に登場した。

 

 
母胎はコレね。
白飯にバリ合う。

先ずはこの残り汁に少し塩を加え、シンプルに赤鶏の手羽先を煮てみた。

 

 
赤鶏だけに旨いねっ(. ❛ ᴗ ❛.)
肉厚でブリンブリンだわさ。

翌日、その残り汁に少しだけ薄口醤油を足して豚肉のしゃぶしゃぶにしてみた。第3形態である。

 

 
これまた、鶏の出汁が効いてて旨い。
だからポン酢なんて必要ないのである。

で、次に何気に牛蒡を入れて炊いてみたら、新たなる出汁に変化(へんげ)した。第4形態と言いたいところだが、これは前蛹みたいなもんで、ここから更なる形へとチェンジするのだ。

翌日、いよいよファイナル形態へと昇華させる。
その牛蒡のエキスをたっぶりと含んだ出汁を火にかける。
沸騰するまでに白ネギを切り、青い部分だけ残して汁にブッ込む。
そこに何と中華そばを投入じゃい❗
そう、麺つゆは最後に本来の麺つゆとして生涯を全うするのである。
葱の青い部分と手羽先の残りを毟って乗っければ出来上がり。

 

 
汁が少ないが、この際かまわん、かまわんのカマワンチェンジャー。

先ずは汁を飲んでみる。
(☆▽☆)うまーっ❗
奥深い。牛蒡が出汁を複雑なる旨さにさせちょる。
麺はねぇ、正直どってことない「スーパー玉出」の激安20円とか30円くらいの中華麺だ。どころか千円以上の買物をしたから実質1円だ。だから、コシはゼロである。
しかしだ、途中から麺が汁を吸って、それはそれで旨かったりもする。

汁を一滴残らず飲み干す。
お陀仏、お陀仏。
もとい、成仏、成仏だね。

                        おしまい

 

シルバーベルベットの想念

 
2020年 7月20日

近鉄奈良駅から外に出ると、凄い夕暮れになっていた。

 

 
何かが起こることを予兆するかのような凄絶で美しい夕景だ。
何となく、きっと今日は良いことが起きそうだなと思った。

そういえばこの日は、連日マホロバキシタバの調査に動いている小太郎くんには休むようにと釘を刺したんだっけ。前の日も一緒に能勢で灯火採集をして神戸までプーさんを送って朝方に奈良まで帰って行ったしね。だから小太郎くんには言わずに一人で春日山の原始林に入った。言ったら、近くに住んでいる彼は絶対に来る筈だからさ。

今回はイチイガシの木が多い場所に糖蜜を噴きつけた。
目的は殆んど糖蜜トラップに誘引されないマホロバキシタバを何とかこの手で捕らえることだった。この時点では色んな人がトラップを仕掛けたのにも拘らず、飛来したのはこの2年でたったの2例のみだったのだ。マホロバの発見者としては、そこんとこは抑えておかないとカッコつかないからね。
ならばとマホロバの食樹として有望視されるイチイガシの大木が多くある場所で糖蜜を撒きまくってやれと考えたのだ。
ちなみに春日山原始林と奈良公園は採集禁止である。なので、許可はちゃんと得ている。

 

 
午後8時40分。
糖蜜トラップに見慣れない蛾が来ていた。
近づくと、懐中電灯の光に照らされたそれは、渋い銀色でギラギラと鈍色(にびいろ)に輝いていた。まるでラメが入ったかのような妖しい光を放っており、質感は高級なベルベットを思わせる。シルバーベルベット。銀狐の美しさだ。闇の中で想念が慄(ふる)える。
蛾はカトカラとヤママユの仲間しか採らない主義だが、渋カッコイイので採ることにした。それにオラって牽きだけは強いからさ。2匹目の泥鰌(どじょう)、又もや新種だったりしてね。そんな目論見も無きにしもあらずだった。

 

 
やはり渋カッケーや。
当然ながら名前は知らん。珍しいかどうかもワカラン。蝶のことはそこそこ知ってはいても、同じ鱗翅目である蛾のことは素人並みの知識しかないのだ。

♀っぽいなあ…。
確認のために裏返してみる。

 

 
腹の感じからすると、♀っぽいね。
そして、やっぱ裏は汚い。蛾に今一つ踏み込めないのは、この辺に理由があるのかもしれない。勿論、裏面が美しい蛾もいるけど、相対的には野暮ったくて残念な奴が多いのだ。上翅は蝶を凌駕する多種多様で魅力的なバリエーションに富むのに、下翅と裏面がねぇ…。

暫くして下から闇をノタ打つ懐中電灯の光の束が見えてきた。
体が硬化する。一瞬、死体遺棄に来た殺人鬼かと思った。こんな時間に、こんな太古の森へと入って来る者など普通はいない。いるとしたら、彼しか有り得ないだろう。そう願おう。

正体の主は、やはり小太郎くんだった。休めよなー、この野郎。虫小僧、底知れぬ体力と精神力だわさ。

小太郎くんに、さっきのシルバーベルベットを見せると、何たらかんたらと云う長ったらしい名前を言った。(`∇´)ケッ、新種じゃないと分かって、その場で脳が名前を消去する。また、くだらぬモノを採ってしまったよ…。
彼曰く、無茶苦茶珍しいワケではないが、そこそこ珍しいらしい。特に関東方面では少なく、東日本の愛好家の間では評価が高いそうだ。だったら、まっ、いっか。

翌日、展翅するために羽を開いたら、下翅に黄色い紋がある。蛾って下翅が無紋のものが多いから、ちょい驚く。

 

 
といっても、黄色い紋は淡く、鮮やかではない。正直、あんまし綺麗じゃないよね。それに、夜に見た時みたいな妖しい光を放ってはいない。光の質とか当たり具合にもよるのかもしれない。ちょっいガッカリ。
まあいい。取り敢えず展翅すっか。

 

 
丸くて、お世辞にも形はカッコイイとは言えない。
ちなみに紫色の部分は、透明展翅テープに虫ピンの頭の色が映ってるだけで、実物にこうゆう色はない。

触角はカトカラみたく真っ直ぐにはしなかった。
カトカラと比して愛情が足りないので、邪魔くさかったのだ。

取り敢えず何者かを岸田先生の『日本産蛾類標準図鑑Ⅱ』で調べてみることにする。

 

 
結果、どうやらホリシャキシタケンモンとマルバネキシタケンモンのどちらかみたいだ。
でも形からすると、おそらくマルバネキシタケンモンだろう。
驚いたのは、♂と♀とでは触角の形が違うことだ。♂は触角が鋸歯状になるそうだ。
ということは、コヤツは思った通りに♀って事だね。

 
(マルバネキシタケンモン♂)

(出典『日本産蛾類標準図鑑』)

 
オスとメスで触角の形が違うといえば、ヤママユの仲間が思い起こされるが、ヤガ科にも居るのね。
後翅の黄色い紋が大きいのは、たぶん異常型かと思われる。

種の解説に戻ろう。
基本的な斑紋はホリシャと同様だが、より変異の幅があり、前翅外横線と亜外縁線の間が広くて灰白色を帯びる個体も見られるそうだ。
前翅は丸みを帯び、ホリシャのように翅頂部は突出しない。腎状紋内側に沿う黒条は弧を描き(ホリシャは直線的)、前翅後角にある白斑はホリシャよりも発達する場合が多い。後翅中央の黄色紋はやや細く、縦長になる(ホリシャは横長で縦に短くて丸みを帯びる)。

比較のためにホリシャキシタケンモンの画像も貼っつけておこう。

 
(ホリシャキシタケンモン)

(出典『日本産蛾類標準図鑑』)

 
左が♂で右が♀である。同じく♂は触角が櫛状だ。
裏面にも明確な違いがあるようだが、以下のサイトに詳しいので、気になる方はそちらを覗いてみて下され。

http://yokonami.web.fc2.com/4kisitakenmon.html

 
【分類】

ヤガ科(Noctuidae)
ケンモンガ亜科(Pantheidae)
ウスベリケンモン属(Trisuloides)

以前はホリシャキシタケンモンと一緒くたにされていたみたいだが、1976年に別種だと判明し、分離されたそうだ。
学名の記載者名は”Sugi”となっているから、たぶん蛾界に多大な功績を残された杉 繁郎氏の慧眼だろう。

 
【学名】Trisuloides rotundipennis Sugi, 1976

属名の後半の”loides”は「のようなもの、みたいな」という意味だが、前半の”Trisu”が分からないから何みたいなのかが不明。対象物がワカランのだ。ラテン語だと「3」に関係する言葉に使われることが多いようだけど、そこで思考は止まってしまう。カトカラじゃないから、別にいいや。掘り下げる気力なしなのさ。
小種名は前半部は”rotundity”あたりが語源だろう。意味は「丸み(丸味)、円み(円味)」。
後半の”pennis”はチンポ❓一瞬そう思った。
けど、んなワケないと思って調べてみたら「penna=羽根」とゆうのが出てきた。おそらくコレだろう。「丸い羽根」ならば意味が通る。語尾の”is”は多分ラテン語の女性形で、形容詞の語尾変化だろう。

 
【開張】♂35〜40mm。♀40〜52mm

何とオスとメスとで大きさまで違うのね。ちょっと驚き。
触角が鋸歯状だというのもあるし、来年はオスも見てみたいもんだね。

 
【分布】

伊豆半島以西の太平洋側、四国、九州。
国外では朝鮮半島南部に記録がある。

 
【成虫の出現期】

『みんなで作る日本産蛾類図鑑』には、5〜6月と9〜10月となっているが、岸田先生の『日本産蛾類標準図鑑』には、6〜7月と9〜10月となっている。多分、岸田先生の方が正しいかと思われる。今回の個体の鮮度状態からみれば、そう言わざるおえない。それに『みんなで作る日本産蛾類図鑑』の方は、情報の一部に正確性を欠く場合が多いからね。だから鵜呑みにしない事にしてる。
とにかく発生は年2化ってことだね。

 
【成虫の生態】

ネットや図鑑で生態について書いてあるものは見つけられなかったが、糖蜜トラップに寄ってきたんだから、間違いなく樹液には飛来するだろう。
ネット情報だと灯火採集でも飛来しているから、走光性もありそうだ。
読んでいないが『ホリシャキシタケンモンとマルバネキシタケンモンの生活史(2020 宮田)』という論文があるので、そこに詳しく書かれているかもしれない。

 
【幼虫の食餌植物】ブナ科コナラ属:イチイガシ

だからイチイガシの森に居たんだね。納得だ。同時に関東方面では稀少な種という謎も解けた。イチイガシは関東方面では殆んど見られないからね。ということは、マルバネは関西でも何処にでもいるという種ではなさそうだ。イチイガシは九州を除き、西日本でもそう多い木ではないのだ。関西だと群生しているのは奈良公園及び春日山原始林内と紀伊半島南部の一部にくらいしかない。
ちなみに近縁のホリシャキシタケンモンの食樹は同じブナ科コナラ属のウバメガシだとされている。なので分布は、より沿岸部となるようだ。ウバメガシは海岸によく群生して生えてるからね。となれば、ホリシャの方が生息域は広いと思われる。実際に大発生した記録も有るようだしさ。マルバネの方が少ないから、長年混同されてたんだね。

幼虫はヤガ科には珍しく刺毛のある毛虫型。
キモいので、画像は貼っつけないけどさ。

                       おしまい

 
追伸
タイトルのモチーフは鬼才デビッド・リンチの映画『ブルーベルベット』。闇をこれだけ意識させられた作品は他にない。ハリー・ディーン・スタントンのお菓子のピエロのシーンが特に秀逸だ。

この日、念願のマホロバキシタバも糖蜜トラップにやって来た。やはりあの凄絶な夕景は予兆だったのかもしれないね。

 
【マホロバキシタバ】

(2019年 7月 奈良市)

 
マホロバに関しては当ブログに『まほろばの夏(マホロバキシタバ発見記)』と題して書いた文章など数編があるので、興味がござる方は探して下され。

 

超簡単❗胡瓜の麺つゆ漬けだもしー

 
TVでキュウリ農家の人が毎日食ってて、超簡単だという料理を紹介してた。
麺つゆを使うというのが盲点だったので興味が湧いた。で、胡瓜がたまたま安かったのて作ってみることにした。

レシピはキュウリを乱切り、生姜と青じそを細切りにして麺つゆをブッかけて冷蔵庫で一晩おくだけ。以上。
なんだけど、生の生姜がないのでチューブの生姜で代用した。あっ、麺つゆもないので白だしで代用したわ。で、希釈タイプゆえにそのままだと濃いので適当に水を足して調整した。

 

 
翌朝、土鍋で白飯を炊いて食った。
マジ、何ぼでも飯が食える。酒のツマミにもなりそうだ。
でも、よくよく考えてみれば、麺つゆで作ったワケではない。甘くないから、かえってワシの口に合っただけなのかもしれない。だから麺つゆで作って旨くなくても、悪いけどワシ、責任もたないんだもしー。

                       おしまい

 
追伸
ずっと魚介類つづきだったので、野菜の話にしてみた。

 

帰ってきた自家製イクラの醤油漬け

 
しつこくイクラの醤油漬けの話である。
スマン、見逃してた画像が出てきたのじゃよ。それにストレージが溜まっているので画像を消したいゆえ、書く。

 

 

 

 

 
結構、お茶碗1杯くらいのミニイクラ丼を作っていたのである。最初はシンブルだったけど、飽きてきたので茗荷なんかを加えたりもした。茗荷とイクラは合うと思う。
 
イクラ丼を食ってて、イクラの量が減ってきたので、こんな事もした。

 

 
ここに新たなものを加えたのである。

 

 
半熟玉子を加えてみたのさ。
コレはコレで旨かったりもする。そもそも半熟玉子に合わない食材ってあんのかね?旨くて当たり前だよね。

すっかり忘れてたけど、こんな画像もあった。

 

 
イクラとマグロの丼である。
海鮮丼では両者がトッピングされる事はあるが、この2つだけの組合わせは有りそうで、あまり見掛けないような気がする。

味は思ってた以上に旨い。サーモンとの親子丼に比肩するかもしんない。

来年も自家製イクラの醤油漬けは作るとは思うけど、1回は筋子の醤油漬けも作ろっかなあ…。

                        おしまい

 

銀ダラの煮付け

 
9月半ばに、高島屋で銀ダラが売られているのを久し振りに見た。値段は微妙な450円だが、銀ダラにしては安い方だ。最近は滅多に会えないことだし、買うことにした。

 

 
昔はどこのスーパーでも売ってるような大衆魚だったのに、今や高級魚だ。なのでスーパーで見掛けることは殆んどなくなった。だから銀ダラと言っても、もはや若い人などはワカンないだろう。オジサン、オバサンも銀ムツやメルルーサとゴッチャになっている人が多いかもしれない。
かく言うワタクシも、時に銀ダラと銀ムツの区別がつかなくなることがある。販売されてても誤表記も多く、パッケージには銀ダラと書いてあっても、ホントは銀ムツだったりする事は結構あるらしいのだ。その逆もまた然りである。
どちらも大型魚ゆえ、切り身で売っているから区別するのは難しいのだ。どうせ消費者なんぞバカだから区別でけんと思ってんだろね。
たぶん皮で見分けがつくと思われるが、恥ずかしながらどっちがどうというのを思い出せないことが多い。まあ両方とも高級魚で、味も美味いから怒るほどのことはないんだけどね。でもあえて言うならば、銀ムツの方が好きかなあ。

銀ムツ(学名 Dissostichus eleginoides)は、マジェランアイナメ(マゼランアイナメ)の事で、別名オオクチとも呼ばれており、スズキ目ノトテニア科の”Dissostichus属”に分類され、南極周辺の深海に生息する肉食性の大型深海魚。市場では銀ムツの他にメロとも呼ばれる。いや、最近はメロ(銀ムツ)と書かれていることの方が多いか。銀ムツはムツじゃないから偽装だとゆうことで、お上から禁止のお達しが出た筈だもんね。
またメルルーサ(属名 Merluccius)は、タラ目メルルーサ科メルルーサ属の総称で、ヨーロッパ、アフリカ西岸沖、北米太平洋岸沖、南米大西洋岸・太平洋岸沖、ニュージーランド沖等大陸棚の縁辺部に分布する大型魚。英国の国民食でもあるフイッシュ&チップスやマクドナルドのフィレオフィッシュの材料としても有名である。あっ、でも高騰が原因で近年は別な魚が使われているらしいけどね。
一方、今回の主役の銀ダラ(学名 Anoplopoma fimbria)は、カサゴ目ギンダラ科に属し、別名ナミアラ・ホクヨウムツとも呼ばれる肉食の大型深海魚である。市場魚貝類図鑑には「同属の他種の登録はありませんでした」と書いてあったが、Wikipediaにはギンダラ科には他にアブラボウズが含まれ、ギンダラ属はこの2種だけで構成される。ちなみにアブラボウズも旨い。ただしコヤツも高級魚クエに偽装されて市場に出回るケースが結構あるそうだ。
ようは3つとも分類が目レベルで違うから、かなり掛け離れた間柄というワケだ。つまり親戚でさえない、完全な他人の関係なのだ。
分布は駿河湾、北海道内湾以北からアリューシャン列島、アメリカ・カリフォルニア州沿岸までの北太平洋だが、分布密度には偏りがあり、アジア側では密度が低くて、アラスカからカナダ沖合では高い。
和名のとおり外見がタラによく似ているが、タラではなくアイナメやホッケに近い魚である。ちなみに、タラはタラ目タラ亜科、アイナメとホッケはカサゴ目。銀ムツもムツとは名打ってるけど、全くムツとは無縁の魚だ。だから偽装販売ということで大問題になった。銀ムツの表記が禁止されるようになり(銀ダラはナゼだかセーフ。たぶん和名がそもそもギンダラ属だからかも)、外国の深海魚だとバレて人気がダダ下がりになった。そしてスーパーの店頭から消えていった。銀ムツだと美味しそうだけど、メロ(銀ムツ)なんていう名前の得体のしれないものは誰も買わんのじゃよ。

さて御託はこれくらいにして、どう調理してこましたろか❓
塩焼きとか西京焼きも考えたが、何となく簡単そうなイメージの煮付けにすることにした。

①先ずは臭みを取るため、銀ダラをザルやまな板に乗せ、布巾やペーパータオルを被せて熱湯を回しかける。布巾を被せるのは皮を剥がれにくくするためである。面倒だからワシはそのまま熱湯を掛けたけどさ。

②鍋に水と酒を同量(40ccくらいずつ)、砂糖大さじ1/3 味醂少々、醤油大さじ1を入れて火にかける。火は弱火でよろしかろう。
甘いのが好きじゃないので、砂糖と味醂は控えめにした。世間一般の甘い味付けの煮付がお好きな方は増量されたし。

③そこに銀ダラを静かに入れる(沸騰してなくてもいい)。落し蓋(クッキングペーパーでも可)し、鍋の蓋もして強めの弱火で7〜10分ほど煮る。自分は熱が入り過ぎるのは嫌なので、7分経ったら火を消し、あとは3分放置の予熱方式にした。

 


 

 
厳かに有田焼の皿に盛って出来上がり。
今回は上に貝割れを乗せたが、青物は小松菜などをサッと煮て添えた方が良かったかもしれない。

(•‿•)脂が乗ってて旨いなあ。
あれっ❗❓、でも記憶の中ではもっと脂が乗ってて、口の中ですぐ溶けたような気がするぞ。
アレは銀ムツの方か❓
えっ、じゃあ銀ダラと銀ムツのどっちが美味いのじゃ❓
 
ここで銀ダラくんの事は冒頭の記述以上には知らないことに思い至る。今度こそ脳ミソにインプットして銀ダラか銀ムツか曖昧的な見識を払拭したい。銀ダラと銀ムツのどっちが美味いかも知りたい。再度、ネットで調べなおそう。

ウィキペディアと、いつもお世話になってるいる『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』の記述を参考にして編集、まとめてみよう。

『ギンダラ(銀鱈)』
体長は1mを超え、最大120cmになる。重量は13kgにもなる個体もある。肉食性で、魚類、甲殻類、頭足類などなんでも食べる。きっと旨いもん食ってるから旨くなるんだね。
寿命は20年以上とみられるらしい。へぇー、長生きなんだ。

 
(銀ダラ)

(出典『clovegarden』)

 

(出典『Mマート』) 

 
今さら言うことでもないが、タラに見た目が似ていて銀色だからギンダラ(銀鱈)と名づけられたのだろう。ホントに銀色かと言われると、微妙だけどもね。
タラのように下顎にヒゲはなく、背鰭が2基しかないことでタラ類とは区別できるという。ちなみにタラの背鰭は3基、アイナメやホッケの背鰭は1基である。
とはいえ、切り身で売ってるから、こんなこと知ってもあまり意味はないな。

英名は、Sablefish, Black cod。
「Sable」はヨーロッパからシベリアに生息するクロテン、またはその毛皮のことのようだ。「cod」はタラのこと。欧米でもタラに似ているという認識があるんだね。いや、輸入業者はそれを知ってたがゆえに、この和名をつけたのかも。

比較のために銀ムツとメルルーサの画像も載っけておこう。

 
(銀ムツ)

(出典『Wikipedia』)

 

(出典『Yahoo!ショッピング』)

 
鱗を除去した切り身の皮を見ると、銀ダラと比べて白くて網目模様の目が粗くて線が太い。そういや、こんな感じだったわ。やはり見分けるポイントは、この皮だね。

 
(メルルーサ)

(出典『ユーラシア大陸はての定置網』)

 

(出典『Mマート』)

 
銀ダラよりも皮が白く、銀ムツと比べて網目模様が薄くて細かい。また身が銀ムツや銀ダラのように白濁しない。この白濁は脂肪なので、だからそれがないゆえにメルルーサの味は淡白なんだね。
 
ここで「マルハニチロ」さんのブログから新たな事実が見つかった。
一部抜粋しよう。
「銀ダラもメロ(銀ムツ)と同様に買い付け競争の激化により、日本に輸入される量がすっかり減ってしまいました。今では高価な魚の部類といえるでしょう。
銀ダラの産地は、アラスカを主漁場とする米国がほとんど。これに若干のカナダ産が加わります。
FAO(世界食糧農業機関)の統計のグラフ見ると、1977年に200海里漁業専管水域が設定される以前は、日本の漁獲量が世界中の大部分を占めていましたが、その後、米国の漁獲量が世界の約9割を占めるようになっていることがわかります。」

どうやら銀ムツを見掛けなくなったのは、名前がメロになって人気が落ちたのではなく、高騰が原因で輸入されなくなったってワケね。昔は外国人はあまり魚を食べなかったから日本が魚資源を独占していたのだが、昨今はすっかり状況が変わったって事ね。寿司なんて世界的に流行らなければよかったのに。

銀ダラに話を戻そう。
特に大陸棚斜面と北東太平洋の海山付近の水深300-2000m程の深海の泥底に生息する。冬に産卵し、孵化した稚魚は浅い海で生活するが、成長するにつれ深海で生活するようになる。
主な漁法は底引き網、延縄。漁期は周年。
大きな魚だけに個体のまま出回ることはほとんどなく、販売時には切り身となっている。肉は白身で脂肪分が多い。煮付け、塩焼き、粕漬け、味噌漬けなど様々な料理で食べられている。

『市場魚貝類類図鑑』での評価も高い。

魚貝の物知り度 ★★★ 知っていたら通人級
味の評価度 ★★★★★ 究極の美味

究極の美味とまで評価しているじゃないか。
ここからは、主にそのぼうずコンニャクさんの『市場魚貝類図鑑』の力をお借りして再編集して書こう。

(地方名・市場名)
ナミアラ。北海道ではホクヨウアラ、ホクヨウムツとも呼ばれている。

(生息域)
海水魚。水深300〜3000mで見られる。
もともとアメリカで人気の高い食用魚だが、北海道、三陸沖などでも獲れる。しかし量的には少ない。。
当初は名前にあるようにマダラの代用品として鍋物用、煮つけ用に売られていた。当時としては脂っぽいところが嫌われて値段的にも安かった。また脂が強いところからムツ(ムツ、クロムツ)の代用品(偽物)として流通していた時代もあった。これが近年の脂嗜好から、後に高騰した。
最近では冷凍ドレス(頭と内臓を除いたもの)やフィレ(三枚下ろし)までも高級となり、スーパーから姿を消した。
アラスカ、カナダなどでは養殖されていて、刺身という新しい用途も生まれている。
マジか❓刺身は食ったことないから、食いたいよなあ。

(市場での評価)
主に冷凍ドレスがカナダやアラスカから流通する。古くは安い魚であったものが、近年は高騰している。特に生は高級。カナダなどからは養殖ものがチルドで輸入されてくる。
へぇー、養殖もあるんだね。ガンガンに輸入してくれんかのう❓ワシ、刺身が食いたいんじゃあ。

(選び方)
冷凍ものは変色、ドリップしていないもの。解凍されたものよりも、冷凍状態のまま購入したほうがよい。

(味わい)
生の旬は秋から冬。鱗は細かくて剥がれやすい。皮は厚みがあり、骨はあまり硬くない。透明感のある軟らかい白身で白濁して脂が混在している。熱を通しても固く締まらない。
珍しいことに液体を介した料理法、煮る・汁などにも、焼くにも向いている。あえて不向きなものを挙げるとソテーだろうか。

(料理法)
ーギンダラの塩焼きー
できれば国産で冷凍していないものを使いたい。切り身にして振り塩をして少し寝かせる。これをじっくりと焼き上げる。焼き始めるとすぐに中から脂が染み出してきて、表面がかりっと香ばしく揚げたような状態になる。その内側には独特の風味を持つ脂が液化している。この表面カリッとして中がジューシーな味わいは無類のうまさである。

ーギンダラの西京漬(白味噌漬)ー
切り身に振り塩をする。少し置き、表面に出て来た水分をペーパータオルで拭き取る。これを白味噌・味醂・酒・砂糖を合わせたものに漬け込む。甘めがイヤなら砂糖は加えない。じっくり焦げないように焼き上げると、白味噌の風味と味醂・砂糖の甘味があいまって魚類屈指のうまさだ。

ーギンダラの煮つけー
冷凍切り身などで最も親しまれているのは煮つけである。食堂や居酒屋などでも定番ものとなっている。切り身は湯通しする。冷水に落として表面のぬめりなどを洗い流す。これを酒・砂糖・醤油で煮る。酒・醤油でも酒・味醂・醤油など味つけはあくまで各人の好み、もしくは地域性を大切にしてやってほしい。

ーギンダラのしゃぶしゃぶー
冷凍していない国産ものが手には入ったらぜひお試し願いたい。三枚に下ろして皮を引く。刺身状に切り、昆布だし・酒・塩で味つけしたなかで振り、好みの火の通り加減で食べる。国産なら中は生という感じがいい。野菜などは最低限にするといいかも。

ーギンダラの刺身ー
近年は養殖され、チルドの状態で入荷してくる。これは刺身になる。味わいはまさにトロ。白身の大トロといったところでマグロとの違いは酸味のあるなし。また国産の冷凍していないものも刺身になる。脂で真っ白で口に入れると溶ける。この脂の強さのなかに適度な食感と魚らしいうま味がある。

ーギンダラのフライパン照焼ー
ギンダラの切り身の表面の水分を丁寧に拭き取る。小麦粉をまぶして脂でじっくりとソテーする。一度取り出してフライパンに味醂・酒・醤油、好みで砂糖を加えて少し煮つめたところに切り身を戻す。ソテーした切り身に煮汁をソースとしてかけてもいい。ソースを最小限にすると御弁当にも使える。

ーギンダラのフライー
冷凍ギンダラの皮を取り、水分をよく取る。塩コショウをして小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせてパン粉をつけて表面がカリッとするように揚げたもの。温かいうちに食べると中はジューシーに表面は香ばしくて、非常に美味。

なるほどね。どれも旨そうだ。フライなんかは食ったことがないから試してみてもいい。しゃぶしゃぶは惹かれるなあ。王道の塩焼きも捨て難い。また見つけたら、やってみよう。

銀ムツについても同じように調べてみたが、ここでは割愛させて戴く。銀ムツが手に入った時にでもまた書こうかと思う。

さて、さて。銀ダラと銀ムツのどちらが美味いかという話だが、各々の嗜好の違いもあるので、あくまでも傾向として述べておく。
おおむね銀ムツの方が、より脂が乗ってて味が濃厚という意見が多いようだ。ようは旨いという評価だ。
ハッキリ言って、自分も銀ムツの方が美味いと思う。
参考までに言っておくと、値段も銀ムツの方がやや高く、流通量も少ないようだ。
それにしても両方とも高い。ザッと調べた限りでは100gで500円〜1000円もする。平均すると銀ダラが600〜700円、銀ムツが700〜800円といったところだ。たぶん昔と比べてどちらも5〜6倍以上の値にはなってるだろう。
ちなみにメルルーサは100〜300円くらいでした。

銀ムツ、もし売ってたら絶対買おっと。
照り焼きかなあ、塩焼きかなあ…じゅる。

                        おしまい

 

イクラ雲丹丼

  
タイトルには書いていないが、「2020年 自家製イクラの醤油漬け」シリーズの第7弾にして最終回である。
なワケで、ボスキャラで締めさせていただく。

本来ならば、世間一般的な呼び名であり、言いやすくもある「雲丹イクラ丼」とすべきであろう。がしかし、あくまでも本シリーズはイクラがメインなので、こうゆうタイトルとあいなった。

 

 
赤と黄のランデブー(≧▽≦)

 

 
イクラが主役と言っているのにも拘らず、ウニが前に来とるやないけー。
いかん、いかん。丼をズラす。

 

 
斜めの方が美味しそうだし、何だかアホらしくなってきたので、ここでやめておく。どうせヴィジュアル的にはイクラを前に持ってくるよか、ウニを前に持ってきた方が訴求力は強い。所詮、貧乏人は雲丹にひれ伏すのだ。ちなみに言っとくと、ウニは北海道産のエゾバフンウニである。
さらに言っとくと、ついウニの肩を持ってしまったが、ウニ単独のウニ丼よりも、雲丹、もといイクラ雲丹丼の方が遥かに旨い。これは何度も実験しているので断言できる。ウニ単独よりも、イクラと合わさった方が相乗効果があるってことだ。

作り方は今さら言うほどの事もなかろう。
ただ酢飯にイクラとウニを乗せるだけだ。一人暮らしの大学生でも失敗しないレベルだ。
あっ、海苔は下に隠してるけどね。アホはアホなりに学習しておるのだ。
イクラだけでなく、ウニも海苔との相性が良い(但し、鮮度が抜群に良いものは海苔も邪魔)。だから前回、前々回の鮭の親子丼、イクラしらす丼とは違い、海苔は必須アイテムなのだ。

でもさあ…、度々この海苔問題については宣(のたま)ってきたが、ホントは海苔を下に仕込むのも、上からかけるのも間違いである。
一番正しいのは、炙った海苔は別にして、食べる度ごとに海苔の上に酢飯とイクラ&ウニを乗っけて食べるのが極めて正しい食い方だ。そうすれば、海苔のパリパリ感と香りが楽しめるからである。エッジが全然ちゃう。
ただ面倒くさいから、愚か者はつい全面的に合体させてしまうのである。この辺がまだまだ凡人であり、真のエピキュリアンになれないたる所以であろう。

少しだけウニ側に醤油をかけて、あとは箸を持って厳かに構え、イクラだけ→ウニだけ→イクラ&ウニの順でワッシワッシと怒涛で頬張る。それを一心不乱にループで繰り返してゆく。
(´ω`)至福だ。
これ以上、何も言うことはない。

                       おしまい

  

イクラしらす丼

 
タイトルには書いていないが、「2020年 自家製イクラの醤油漬け」シリーズの第6弾である。もうイクラ男だな。

酢飯の上に釜揚げしらすと自家製イクラの醤油漬けを乗っけて、大葉を散らして出来上がり。

 

 
あまり試したことのない組み合わせだが、中々に旨い。
シラスとイクラの相性は根源的によろしいとは、薄々感じてはいたけどね。
あー、温泉卵をトッピングしても良かったかもしんないな。
絶対に美味いという確信があるから、また来年にでもチャレンジしてみよっと。
来年、覚えているかどうかはかなり疑わしいけどね。

 

                        つづく

 

三角形の中の、別な三角形の世界

奈良県の某駅のホームを歩いていて、足が止まった。
足元に変なもんが見えたのである。

 

(2020.9.22 奈良県大和郡山市)

 
三角形の中に、まるで別な三角形の異次元世界があるみたいだ。一瞬、三角形の窓の黒い闇、その先にはパラレルワールドが在るのではと思った。

コレってナカグロクチバじゃね❓
蝶と違って蛾の種類はあんまよくワカンナイけど、コレは流石に特徴的な姿だけあって記憶の隅にあった。
カトカラ(シタバガ属)とヤママユガ系以外のガは綺麗だとかよほど目を惹くモノでもない限りは採らない主義だけど迷った。
でも、手塚さん(手塚治虫の弟さん)が何年か前に偶産蛾で珍しいみたいなことを話されていたのを思い出して、持ち帰ることにした。

翌日、展翅することにした。

 

 
翅を広げた方がカッコイイ。

 

 
前翅の窓みたいなとこは幾何学模様みたいにも見え、かなり変わったデザインである。シックでスタイリッシュだと言ってもいいだろう。

 
(裏面)

 
裏面は汚いねぇ。
蛾って、裏のデザインが素っ気なくてツマンナイものが多いんだよなあ。前翅は個性的で美しいデザインのものが山といるのに、下翅と裏面が残念な奴ばっかで、誠に惜しい。

展翅してみた。

 

 
カトカラじゃないんで、触角は真っ直ぐにはしない。邪魔くさいからだ。蝶よりも蛾の方が触角を真っ直ぐに整えるのが遥かに難しいのである。

あっ、後翅にも白帯があるんだね。ヤガ科の蛾の下翅は大概が黒とかグレーとか茶色一色だから、まだマシな方だ。カトカラみたく、もっと下翅が美しければ、蛾の評価も少しは上がるのにね。

名前は知ってても、本来的にどんな奴なのかは知らんから一応調べとこう。珍しいというしね。

分類は以下のとおりとなっていた。

ヤガ科(Noctuidae)
シタバガ亜科(Catocalinae)
Grammodes亜属

 
【学名】
Grammodes geometrica (Fabricius, 1775)

小種名の「geometrica」は、英語の「geometric」の語源(ラテン語)だろうから「幾何学的な、幾何学模様のような」といった意味だろう。自分でもそう感じたから、学名的には納得至極である。

 
【開張(mm)】
41〜44mm。
大きさは手のひらに乗っけた画像を既に貼付してあるので、大体の想像はつくかと思う。

 
【分布】
ネット「みんなで作る日本産蛾類図鑑」によると、以下のようになっていた。

「本州,小笠原,四国,九州,対馬,種子島,屋久島,奄美大島,沖縄諸島沖縄本島,沖縄諸島慶留間島,大東諸島南大東島。」

ものスゲー離島が並んどるなあ。しかも南の島ばかりだ。小笠原とか南大東島とかからの記録もある。そんなに飛翔力があんの❓だとしたら、驚きだ。
ようは、九州、沖縄に多く生息する南方系の蛾って事だね。

しかし、ググってると、どうも変だ。関東とかの画像がいっばい出てくんぞー(゜o゜;
その謎は、わりかし早くに解決した。昔の図鑑では本州には生息しておらず、九州以南の分布となっていたようだ。2005年発行の図鑑でも本州にはいないことになっていると、どっかのサイトに書いてあった。
しかし、その後の地球温暖化に伴って急速に北上したらしく、2007年には群馬でも目撃例が出たという。やはり、とんでもなく飛翔力が強いのかもしれない。
で、今の図鑑では関東以南の分布となっているみたい。実際、ネットを見てると、新宿歌舞伎町、井の頭公園なんかからも記録されてる。何だよ、がっかりだな。
ただし個体数は多くなく、ちょっと珍しいみたいな記述もあった。なるほど。手塚さんは昔の知識で話されてたんだね。

海外では、地中海東部からインド、スリランカ、ジャワ、オーストラリアに生息するとされる。結構、どこにでもいるじゃないか。

 
【成虫出現月】
7〜8月と9〜10月。
どうやら年2化みたいだ。けど、何で春にはいないんだろ❓卵での越冬って事かな。

 
【幼虫の食餌植物】

タデ科:イヌタデ
トウダイグサ科:エノキグサ、コミカンソウ、ブラジルコミカンソウ
ミソハギ科:ヒメミソハギ、ホソバヒメミソハギ、サルスベリ
ザクロ科:ザクロ

結構、幅広い食性だね。蛾だから、こんなもんか。蛾は蝶と比べて食性が広い傾向があるからね。

ここで、思い出した。
大阪昆虫同好会の年会誌『Crude』に、手塚さんがナカグロクチバについて書かれた記事があった筈だ。探してみよう。

ありました。2019年のもの(No.63)に『蝶屋の楽蛾記(Ⅴ)』と題した連載中で触れておられる。
それによると、2017年に京都府城陽市の木津川河川敷で1頭だけ発見され、翌年には複数が採集されて発生が確認された。
ネットの画像を見てると、草に止まっているのが多いので、森林性ではなく、草原性の蛾なのかもしれないね。

その後、幼虫も確認され、飼育にも成功したそうだ(食草はエノキグサ)。
文中に、ちょっと興味深い記述があったので、紹介しておく。

「幼虫は順調に成長して蛹化に至ったが、この種のつうじょの生態から考えて蛹化場所は当然土中であろうはずが、2頭の幼虫は食草の葉を数枚綴って簡単な繭を造成してその中で蛹化し、あとの3頭は土中で蛹化するという不規則な経過を示したわ、これは、容器の中という閉鎖環境のために今回に限ってこのようになったのか、あるいは野外の自然環境の下でも一般のヤガ科の多くはそのような多様性を示すのか、調査にはかなりの面倒さを伴いそうである。」

 


(出典『Crude』No.63)

 
そんな事ってあるのね。同じヤガ科のカトカラでは、葉を使って繭らしい繭を作るのはアサマキシタバくらいだけど、このように土中と繭の両刀使いもいたりしてね。
尚、蛹の外観は多少紫色を帯びた濃褐色で、最初は艶っぽいが日時が経過すると外観は白い粉を吹いた状態に変わるそうだ。

                        おしまい

 
追伸
カトカラの事じゃないので、すぐ書けた。ハッキリ言って楽ですなあ。

 

鮭の親子丼

  
タイトルには書いていないが、「2020年 自家製イクラの醤油漬け」シリーズの第5弾である。
今回は、鮭の親子丼。イクラ丼が丼系の王道ならば、コチラは裏の王道ってところか…。

 

 
鮭の波状紋が美しいねぇ💖

いつも海苔は手で千切るのだが、今回はハサミで切って針海苔にしてみた。
しかし、これではもう一方の主役であるイクラが目立たないではないか。ヴィジュアル的には海苔はイクラ&サーモンと酢飯の間に仕込むべきであった。相変わらず学習能力の低い男である。

味は言わずもがなでしょう。
頭の中で想像して、よだれダラダラになりなはれ。

実をいうと、旨いからもう1回作った。
だが、今度は刺身ではなく、スモークサーモンだ。

 

 
今度は海苔を下に仕込みましたと言いたいところだが、実をいうと使わなかった。忘れたワケではなくて、べつになくてもいいやと思ったからだ。

さっきは味は言わずもがなと言ったが、やはり言おう。
鮭の親子丼は刺身であろうとスモークサーモンであろうと、めっさ旨いっ❗❗
親子だけあって、合わないワケがないのである。親子の絆の間に、他人である海苔がつけ入るスキなどないっ❗

と言いつつも、はたと思う。冷静に考えてみると、イクラは日本産だが、鮭はノルウェー・サーモンとか、チリ産スモークサーモンだわさ。つまり親は外国人の他人だべさ。全然、親子じゃない。
まあこの際、細かい事はいい〜って事よ。

                         つづく

  

自家製イクラ丼

  
タイトルには書いていないが、「2020年 自家製イクラの醤油漬け」シリーズの第4弾である。

イクラといえば、やはりイクラ丼はハズせないでしょう。

 

 
所々、黒く写っているのは、下に焼海苔が敷き詰められているからだ。イクラの量の薄いところが黒く透けちまったのさ。
海苔を敷き詰めるんじゃなくて、酢飯と混ぜればよかったかもしれんなあ…。

 
これだけタップリのテンコ盛りだと、💕めっさテンション上がりますなあ。
これを、٩(๑òωó๑)۶エイやとカッ込む。
口の中でイクラがプチプチと弾けて、旨汁が口の中で💥爆発する。
いやはや、(´ω`)満ちたりますなあ。

美味いから、後日また作った。
今度は海苔を下敷きにした。イクラの量は減っちゃったけどさ。

 

 
とはいえ、何度作っても裏切らない旨さではある。

                        つづく