『我、ツブ貝にΣ( ̄皿 ̄;;激怒す』の続編である。
あの激闘から3日後、同じスーパー玉出で北寄貝(ほっきがい)が3個 358円で売っていた。下処理されてない、丸のまんまで。
しかも、どうやら生きていらっしゃる。
(出展『旬の食材百科』)
正直、この値段はバカ安だと思う。でも、数日前に生きているツブ貝に翻弄されたから、ちょっと買うのを迷った。
たかが貝にあそこまでバカにされ、捌(さば)くのに大変な労苦を強いられた記憶が、まだありありと頭の中に残っているのである。
だが、この値段で新鮮な北寄貝が口に入る事など滅多とない。寿司屋なら高級ネタの範疇に入る。それにツブ貝は巻き貝だが、ホッキ貝は所詮はアサリやハマグリと同じ二枚貝だ。あれほどの辛酸を舐めさせられる事はないだろう。ここはイクっきゃない(=`ェ´=)❗
お家に帰って、気づく。買ったはいいが、考えてみれば北寄貝なんぞサバいた事がない。
( ̄▽ ̄;)ゞあちゃー、コレはツブ貝の時と同じパターンじゃないか。学習能力がニワトリ並みだな(笑)
取り敢えずここは、先ずは北寄貝について知ろう。
相手を理解せずして、攻略はできない。
ホッキ貝とは北海道での呼び名で、正式名はウバガイという。漢字だと姥貝と書く。老婆の貝ってワケだ。
日本海北部と茨城県以北の太平洋、北海道からシベリア沿岸まで分布し、冷水域の外洋に面した浅い海の砂底に生息する。
ウバガイと云う名は、もとは福島から銚子当たりまでの呼び名なんだそうだ。貝殻が薄汚れて見え、姥(老婆)を思わせる為だからみたい。
ウバガイなんて云うクソバハアを冠した名前では、馴染みのない場所では見向きもされないよね。売れるワケがない。だから北海道での呼び名の北寄貝が、積極的に使われるようになったのだろう。
分類上は、二枚貝綱異歯亜綱バカガイ上科バカガイ科の1種だとされる。
へぇー、バカガイに近い種類なんだね。バカガイと云えば、舌をだらりと出した姿がバカみたいに見えることから名付られた名前だ。一般的には「青柳(あおやぎ)」と云う名で関東を中心に流通している。
ようするに、ホッキ貝は謂わばバカガイのデッカイ奴ってワケだな。ちょっと強引だが、そうゆうことにしておこう。
現在、国内での漁獲量資源は減っており、消費量の大半は輸入に依っているようだ。最近は、カナダ、ペルー産のナガウバガイという同属の貝が冷凍品で流通しているそうだ。スーパーで、ホッキ貝のサラダとして売られているモノの大半は、おそらくコヤツだろう。
ホッキ貝は1年を通して食べることができ、旬は不明だとするサイトも多かった。しかし、旬はちゃんとあって、1月~3月なんだそうな。産卵前の冬~初春の寒い時期のものが肉厚で味が良いとされてるみたい。
って事は、3月初めの今のこの時期が、旬の真っ只中じゃないかo(^o^)o
さあ、気持ちも整ったことだし、ジェノサイド、申しワケないが心を鬼にして殺戮させてもらう(-_-)
ネットで見たところ、サバき方は割かし簡単そうだ。
バカみたいに口を開けてるから、そこに貝開けやステーキナイフなどを差し入れ、貝柱を切ればいいだけみたい。
(出展『旬の食材百科』)
自前の写真が無いので、画像をお借りした。
今思えば戦々恐々、貝に挑む気持ちが強過ぎて写真を撮り忘れてたよ。
それにしてもデカイっしょ? そこそこ重いしね。
上の画像では横向きにナイフを入れているが、オイラは貝を縦向きにして立てた。だらしなく口を開けてるところにナイフを突っ込む。
(о´∀`о)楽勝やんけーと思った、その瞬間である。結構な勢いで貝の口が閉じてゆく。
え━━ Σ( ̄ロ ̄lll) ━━っ❗❗と思っている間に右手人指し指と親指が完全に挟まれた。しかも思った以上の強い力で締め付けてくる。
!Σ(××;)!痛ててててててて……❗
予想外のババアの逆襲に、おいちゃん、(@@;)とっても焦ったね。万力で指が潰されるような恐怖を感じた。
昔、ガソリンスタンドでバイトしてる時に電動ジャッキに指を挟まれた時の記憶が甦る。大事な指がグチャグチャに潰れれば、マジで大変な事になる。オッパイだって揉めなくなるぅーΣ(T▽T;)❗❗それは困る。絶対にヤダ❗❗ (#`皿´)ノぬおりゃあーっ❗、火事場の馬鹿力で左手一本だけでジャッキを押し上げたのだった。危うく指が千切れるとこじゃったよ。
その時の記憶がフルパワーを呼び覚ました。
何さらしとるんじゃ、ワレー(#`皿´)❗
ブッ殺す(=`ェ´=)❗、ブッ殺す(=`ェ´=)❗❗、ブッ殺ーす(=`ェ´=)❗❗❗
心に憤怒の激流が走る。(*`Д´)ノ!!!たりゃあ~、左手で貝の口を持ち、一挙にこじ開けにかかる。おどれ、八つ裂きにしちゃる。めりめりめりー。
やめてくだされ、やめてくだされ、お代官さまー。
Ψ( ̄∇ ̄)Ψケケケケケ…、諦めるんだな。泣こうが喚こうが、この納屋には誰も来ぬわ。
(#`皿´)ンガガガガガガ……、キコキコキコキコ。
\(T△T)/あれぇ~~~~~~~~。
パッカ━━━\(^o^)/━━━━ ン❗
無理矢理開いて、片方をネジ切る。
(-。-;)ハー、ハー、Σ(´□`;)ゼェー、ゼェー。
勝った…。アドレナリンの余韻の中で貝柱を切り離す。
中身はグショグショのヌルヌル。
ここから先は不要な部分を取り除いてゆくのだが、グロいので割愛。どうしても見たいと云う変態さんは、ネットで探してくれ。動画はいっぱいあるぜよ。
各パーツに切り分ける。そこに粗塩を振って、手でゴシゴシやってヌメりをシッカリと取る。塩攻め地獄である。悪魔の如き所業じゃよ。
舌先みたいな所は、上から爼(まないた)にビッタン、ビッタン叩きつける。ピシャッと叩きつけると、貝が『あうっ!』ってな感じで身悶えする。それを見て、ニヤニヤしてしまう。完全にSM変態男だ。
残酷貝物語は猶も続く。それに包丁で細かい切れ目を入れるのだ。その後は切り刻むワケだから、見方を変えれば、やってる事は倒錯変質者の猟奇的凶悪殺人鬼だ。酷いよね。
貝殻に大葉を敷いて、その上に盛り付ける。
北寄貝といえば、先っぽが朱色なのが特徴だが、生の状態だと汚ない茶色なのだ。
先ずは塩で食べる。
歯触りが良い。歯を押し返してくる弾力と歯切れの良さが心地好い。そして、貝特有の香りが鼻に抜ける。
噛んでいると、奥から貝の甘みと旨みが立ち昇ってくる。
次に醤油で食してみる。
コチラは醤油の旨みが加わる。勿論、旨い。
薬味は色々試したが、山葵とか生姜は今イチ。基本は要らないんじゃないかと思う。強いて言うならば、辛味大根のおろしや貝割れ大根とかが合うんじゃないかな。
貝の鮮度にもよるが、良ければ塩、少し落ちるなら醤油で食すのがよろしいかと思う。
残りの2個には火を入れた。
酒入りの熱湯にブチ込み、火を切って放置。余熱で
火を通す。
1個は、そのまま口に放り込んで食った。
口いっぱいに貝のジュースが溢れ出てきて旨い。
でも、少しジャリっときた。砂が少し残っていたようだ。あとで知ったのだが、ホッキ貝は砂抜きしても、完全には砂を取り除けないようだ。
と云うワケで、3個目は切り分けて、砂がありそうな部分を取り除いて盛り付けた。
火が入っているので、色が鮮やかになっている。
これも先ずは塩で、次は醤油で戴く。
(・ω・)ふむふむ。
生よりも甘みが強く感じられ、肝のほろ苦さとコクが旨い。但し、食感がゴムみたくなるので、噛み切りにくい。もっと小さく切るべきだったかもしれない。
生と茹で、両方とも旨いと思う。甲乙つけ難いね。
歯ざわりと香りならば、生に軍配を挙げたい。甘みと調理のし易さならば、茹でに票を投じるってとこだね。個人的には生を塩で食うのが一番好きだね。
皆しゃあーん、北寄貝を捌く時は、くれぐれもお気をつけあそばせ。汝、北寄貝の(@_@;)逆襲に備えよ。ナメとったら、逆襲に遇いまっせ。
おしまい
追伸
茹でた残り汁は捨てずに活用しましょうネ。
今回は塩と薄口醤油、昆布だしで調整して、余りものの卵白を入れた。
ハマグリには負けるが、まあまあ旨かった。