おどろおどろの緑ポテトサラダ

 

面妖なものを、またこの世に産み落としてしまった。

 

 
おどろおどろしき緑色のポテトサラダである。
ポテサラに青汁を混ぜてみた。
と云うのは真っ緑なウソでぇーす(・ ┳ ・)
もとい、真っ赤なウソでぇーす。いくらアチキがトチ狂ってるからといって、そこまで👿悪魔のような所行は致しませんよ。

えーとですなあ。事の発端はジャガイモである。
冷蔵庫の奥底で長い間放置されていたジャガイモが、このたび2個発掘された。
半分ミイラ化が進んでおり、お肌はカサカサのシワシワ。芽がボコボコと腫瘍みたいに醜く成長している。
オジサンは短く、ヒッ❗と叫び。軽く仰け反りながら顔をそむけた。
ぶしゅ~(@_@;)、結構ホラーである。
『また、やっちまったな…。』
周りに誰彼いるでもなく、小さく呟く。
軽い己に対する軽侮の念が心の中を擦過する。

 
     愚かなる哉(かな)
     イカロスが
     いくたりも来ては落っこちる

 
さて、どうしたものか…。
当面の問題は、この邪鬼の如く醜い物体の今後についてだ。自分ともう一人の自分とで、対峙して話し合わねばならぬ。
ちっ、まわりくどい言い方だ。まるで心が病んでいる人間のモノ言いじゃないか。ようするに、自問自答しろって事だ。

選択は二つに一つだ。

①ゴミ箱にありったけの憎悪でもってダンク❗

②マッドサイエンティストよろしく魔の力をもってして、新たなる創造物を誕生させる。

又しても、まわりくどい言い方だ。言葉遊びはよせ。
夢を見るのはよせ、憎むのはよせ。愛するのはよせ。

ダフルスペース。上がって、下りてきた。
ところで、はたしてタイガースの藤浪は復活するのか❓
藤浪のことはどうでもいい。どうでもよくないが、今はどうでもよろし。ようは捨てるか、料理するかだ。
ここは祖は武士の家系、敵前逃亡など有り得ぬ。果敢に料理で打って出ようではないか。

ジャガイモをレンジでチンして皮を剥く。
予想に違(たが)わぬ緑っぷりである。
きゃあ~ε=ε=(ノ≧∇≦)ノ
青酸じゃ、青酸じゃ、殺してたもれ(註1)。

ジャガイモには毒がある。芽や緑化した部分にはソラニンやチャコニンと云う天然毒素が多く含まれれているのだ。これらを多く含むジャガイモを食べると、吐き気や下痢、嘔吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがあるのさ、(# ̄З ̄)ぷぷぷぷぷぷー。

でもさー、ジャガイモで死んだ奴なんて聞いたことある❓ 無いよね。
ここは、マッドサイエンティストとして強引に攻める。緑色のままで勝負じゃい(◎-◎;)❗❗

軽くジャガイモを潰す。
味付け前に、ちょいと味見をする。
Σ(-∀-;)ゲッ、苦くてエグみがあるんでやんの。
毒だよ、毒。
でも、そんな事では怯まない。バカだからである。

そこに先ずはスライスした玉ねぎを加える。一応、塩をして軽く水分を搾ったものだ。フザけた料理であったとしても、基本を蔑(ないがし)ろにはしない。質実剛健、武士の末裔なのだ。

さらにそこに、余りもんのフランクフルト・ソーセージ、ゆで玉子2個、マヨネーズを入れる。塩、胡椒も振る。
しか~し、コレでは真の緑色にはならない。そこで、ビートルジュースの青汁を…。

ウソ、ウソ、ウソー(^o^;)
こんなところで青汁を投与しようものなら、全ては台無しだ。ノリだけで料理をして、良い結果など奇跡でも起きない限り得られるワケはないのだ。

で、何を入れたかというと、女子が好きなアボカドだ。
(  ̄▽ ̄)フフフ…、ジャガイモの色もあるけど、主な緑色の正体はアボカドだったのである。

嫌いじゃないし、マズいとは言わないが、ナゼにアボカドなんぞを女子は珍重するのかね❓
ヘルシーって言うけど、脂肪だらけやんけ(=`ェ´=)

グダグタ思いなから割ってみたら、状態があまりヨロシクない。青臭くて、食感にネットリ感が足りないのだ。ハズレだ。呪われている。きっと女子の悪口を言ったせいだ。
生で使うには問題ありと判断して、一部の熟成していそうな所を残してレン・チン。あら熱をとってブチ込んでやる。
万編なく混ぜたら、暫く冷蔵庫で寝かす。
味を馴染ませるためだ。

見た目ヨロシクちょっと変わった味だが、何だか旨いぞ。全然、イケる。段々、ハマまってくるくらいだ。
オラって、無駄にまあまあ天才だなと思いながらビールを飲む。

TVでは、コカインで捕まったピエール瀧の画像が流れている。残念だなと思う。
おどろおどろの緑色のポテトサラダのほろ苦さを、ビールで流し込んだ。

                  おしまい

 
(註1)青酸じゃ、青酸じゃ、殺してたもれ
子供の頃は、このジャガイモの緑色の部分には青酸が含まれていると教えられた。当時はそれがポピュラーな意見ではなかったかな。
きっと緑色だから青酸という安易な連想からの、ガセですな。大人は信用できません。

 

嗚呼、初鰹(* ̄∇ ̄*)

 
そろそろ初鰹が出回り始めた。
初鰹といえば5月初めというイメージだが、最近は早い。なんでかっつーと、九州辺りの鰹が入荷してくるからである。つまり、昔と比べて流通網が発達してるからだね。九州では、2月くらいから獲れ始めるのである。
これには、ちょっと感慨深いものがある。鰹好きとしては、早くも鰹が口に入るのは嬉しい。けど気持ち的には、もっと暖かくなった4月の終わりくらいに食べたい気分なのだ。初夏の走りの食材のイメージなのだ。

スーパーで、生の初鰹が安く手に入った。
たった200円くらいだったけど、モノは頗(すこぶ)る良い。良い鰹は色が鮮やかで、切り身の断面に虹色的なものがあまりかかってない。

先ずは付け合わせのクタクタの大根のツマを洗い、暫く水につけてシャキッとさせる。
鰹の体液で大葉は使い物にならないくらいショボショボ、クタクタになっていたので、新しいのを使った。

 

 
エッジの効いた思った以上に良いカツオのたたきだった。鮮やかな赤が食欲をそそる。
これだけ良いカツオならぱ、薬味は邪魔だ。
スライスしたニンニクも生姜も要らない。醤油さえも要らない。塩のみで充分だ。
とはいえ、一応柚子胡椒と醤油をスタンバイさせておく。勿論、付属のタタキのタレなんぞは使わない。あんな甘ったるいものは、カツオの味を損ねるだけだ。カツオに対する冒涜でしょう。きっと、昔のカツオは鮮度が悪かったから、こんなものが編み出されたのであろう。それが慣習として定着したと推察する。

ヒマラヤ産のピンク岩塩を削る。

 

 
先ずは、その塩のみで食す。

(≧∀≦)ん ━━━━ まいっ❗❗
旨みと微かな酸味、仄かな血の味わいと苦味とが混じりあって、カツオ本来の複雑な味が舌に広がる。そして、最後に炭火で炙ったような香ばしい香りが鼻から抜ける。
濁点つきの嗚呼、とかウーとかという声が漏れる。
戻り鰹も美味いけど、初鰹もまた違った意味で美味い。初鰹には、どこか野性的な魅力がある。

試しに、塩と柚子胡椒で食ってみる。
美味い。でも、柚子胡椒の個性が強すぎる。
お次は柚子胡椒+醤油。
コレも美味い。
でも、コレまたカツオ本来の原初の旨さが消えがちだ。ようするに、カツオ本体が旨いから当たり前的に旨いという範疇なのだ。

いよいよ冬も終わったなと思う。
良い鰹が手に入ったら、是非とも塩のみでトライされたし。
そこには、鰹本来の味わいと力強さがある。
 
                  おしまい

 
追伸
因みに最高に旨い鰹を食いたいなら、高知に飛ぶべし。
鰹は傷みの早い魚だから、水揚げされてすぐが美味いと言われている。高知の近海であがったものでも、セリと流通の関係で、関西なら一日遅れで市場に入ってくるらしい。それだけでも味がグンと落ちるみたい。

 

我、ツブ貝にΣ( ̄皿 ̄;;激怒す

 
1週間くらい前の話である。
スーパー玉出で、ツブ貝が3個で298円で売っていた。

 

 
鳥取産のもので、剥き身ではなく丸々のヤツだ。
しかも、どうやら生きている。
自分で捌ける技術と根性、そして目利きがあれば、スーパー玉出は安くて鮮度の良い魚介類が手に入る。
但し、魚などは一匹買いに限られる。切り分けられたものや刺身盛りは極端に鮮度が落ちるから買わない。

しかし、よくよく考えてみれば、ツブ貝を捌いたことなどない。
で、YouTubeで捌き方を学習する。

どうやらマイナスドライバーで貝の横っちょに穴を開け、そこからドライバーを入れて貝柱を切って、身を取り出すようだ。

 

  
しかし、これがウルトラ糞ドライバー。
昔、100均のダイソーで買ったもので、頭の部分を付け替えれるタイプである。つまり、1本でマイナスドライバーにもプラスドライバーになる便利なドライバーってワケだ。
だが、コレがまるで使いもんにならん。何がダメかって、先端が磁石だけでくっついているから、あるまじきヤワさなのである。ちょっと力を入れると、ポロッと先端が落ちる。硬い貝なら尚更である。貝の硬さに負けて、何度やっても力が入る前に先端が取れる。
さっきまでだらしなく口を開けていたツブ貝は、それに身の危険を感じたのか、口を固く閉ざした。
どいつもコイツもナメとんのか、ワレー(-_-#)

Σ( ̄皿 ̄;;キィ ━━━━━━━ ッ❗❗
死んでまえ(`Д´)ノ❗❗、死んでまえ(`Д´)ノ❗❗
使えんヤツは排除されるべーし❗
(ノ-_-)ノ~┻━┻ たありゃー❗、ダーンク❗❗
ドライバーをゴミ箱に叩き捨てる。
これでは埒(らち)が開かん。怒り狂って、新たな道具を求めてダイソーに走る。

クソー、あのドライバーめがっ、まだ売ってやがる。
何年も庶民を騙し続けてやがるとは、フテー野郎だ。
しかし、店員に文句を言っているヒマはない。一刻も早くとってかえして、ヤツを惨殺せねばならん。

 

 
ハンマーとアイスピックを買ってきた。
これで、風穴を開けちゃるΨ( ̄∇ ̄)Ψ
ダメなら、粉砕。🔨ハンマーで叩き割ってやるまでよ。
『ドラゴン、怒りの鉄槌』である。

(#`皿´)うりゃあ~❗、
殺人鬼よろしく渾身の力でアイスピックを突き立てる。
ハァー、ハー(゜〇゜;)、ゼェー、ゼー(;>_<;)
何とかドラゴンの怪鳥音の雄叫びを上げずに穴を開ける事が出来た。
やおらアイスピックを穴に突っ込む。
グリグリグリー。アイスピックを中で掻き回す。
アイスピックから中でツブ貝が身悶えしているのが感じられる。
Ψ( ̄∇ ̄)Ψほりゃほりゃほりゃー、ええんかい、えんかい。オッチャンはサディスティックに尚も攻める。
頭の隅で、ワシは何をやっておるのだ?と思いつつも、しかけたオ○○はやめられない。

ツブ貝本体の力が抜けた。
おそらく貝柱を切られて、踏ん張る力を失ったのだ。
( ̄∇ ̄)フフフ、いきおったわ。

今度はアイスピックを口の根元にブッ刺し、左手で貝を回しながら身を引っ張り出した。
(・。・;ふぅ~、これで一段落ついた。
しかし、画像はありません。あまりにもグロいからです。

お次は、身と肝とヒモに切り分け、食べられない部位を取り除く。肝は肝醤油にすることも考えたが、グロいゆえ茹でることにした。
そして、最後の仕込みに身とヒモに粗塩をたっぷり振って、手でゴシゴシやってヌメりを取る。
それを水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭いたら、あとは切って盛り付けたら出来上がり。

 

 
いやはや、美味い。
心地好い歯応えのあとに、貝の旨みと甘さが立ち上がってくる。
3個で¥298なワケだから、これ1個だと百円換算になる。これが百円の酒の肴だなんて凄すぎるぜ。
でも、オラの人件費を考えれば五百円ではすまんな。

  
残り2つをどうするかを考えたが、ドラゴン、もう疲れちゃった。甘辛めのダシ汁で煮ることにした。
とはいえ、ややこしいことは一切しない。沸騰した煮汁にツブ貝をブチ込んで、火を止めて放置。余熱で火を通すだけだ。
でも、コレにはちゃんと意図があって、身が硬くなり過ぎないように考えているのである。

 

 
火を入れさえすれば、殻から身を取り出すのは簡単。
とはいえ、慎重を要する。強引に引っ張り出そうとすると、肝の部分が千切れてしまうからだす。

翌日、1個は口をあんぐり開けて、そのまま丸々食った。
d=(^o^)=b イェ━━━━イ。
貝の旨みと苦みが口の中で渾然一体となって、メチャ旨やん。

そして、最後の1個は再び切り分けて盛りつけた。

 

 
コレまた美味い。
歯応えが煮アワビのそれだ。貝の香りもいいネ(^^)

怒り先行だったけど、最後は満面の笑みで終わりましたな。
終わり良ければ全て良しなのだ。

                 おしまい

 

自家製ハタハタの一夜干し


  
小振りの鰰(ハタハタ)が1パック100円で売ってた。
激安だ。ハタハタ好きとしては見逃せない。一夜干しにして、酒の肴にしてみることにした。

 

 

 
それを弱火でじっくりと炙って食うのだが、これが誠にもって美味い。

作り方は、わりかし簡単。
ハタハタの頭を落として内蔵を取り除き、軽く洗ってぬめりを取る。それを立て塩に浸けて陰干しするだけだ。
立て塩とは、10~15%の塩水のこと。水1Lに対して大さじ1足らずの塩を入れてつくる。そこにハタハタを入れて30分から1時間浸けて下味をつける。
で、あとはベランダで一晩陰干しにする。
今回は天気があまり良くなかったので一日半放置。

干す道具は、釣具屋やホームセンターで売ってる吊り下げタイプの一夜干しネットみたいなものがベスト。
今回は無いので笊で代用。この場合、猫やカラスなどの鳥にパクられる可能性があるので、覚悟されたし。
途中、何度かひっくり返して、満遍なく適度に水分を抜く。綺麗な飴色になり、しっとりとしたええ感じになったら完成。

 

 
出来上がったものは、冷蔵庫で3~4日程はもつ。
それをじっくりと弱火で焼く。
七輪や網で焼くのがベターだが、フライパンにクッキングシートを敷いて焼いても大丈夫。自分も今回はそうした。

それにしても、今更ながら酷い盛り付けだ。
本来なら、織部あたりに盛り付けるべきなのだが、既に酒がそこそこ入ってて、面倒くさかったのだ。

酒を飲みつつ頬張り、ふと考える。
そろそろハタハタの季節も終わりだなあ。

                  おしまい

 

台湾の蝶28『真昼のデジャヴ』

 

  第28話『江崎三筋』

  
今回は、前回取り上げたアサクラミスジとの姉妹編になります。

 
アサクラミスジを採った翌日のことだった。
この日も南投県の同じポイント、標高約1900mの尾根筋に入った。狙いも同じくホッポアゲハである。
そして、やはりこの日もホッポがピタッと飛んで来なくなった。
で、クソあじぃ~し、同じようにゲンナリ気分で地べたに座り込んでいたのである。
そこへ、又しても右手からふらふらと低空飛行でミスジチョウの仲間が飛んできた。
何なんだ、この既視感は。(;・ω・)デジャヴじゃね❓
天気も同じだし、時間もさして変わらない。全てが昨日のシチュエーションとほぼ同じだ。一瞬、暑さでアタマがオカシクなって、白昼夢でも見てるのかと思った。
裏の淡い色の感じからすると、昨日採ったアサクラミスジかなと思った。どこまでデジャヴやねん( ̄ロ ̄lll)
ヨッコラショと立ち上がって、ぞんざいに網を振る。

網の中を見て、アサクラミスジの♀かなと思った。
昨日のものより一回り大きくて横幅か広かったからだ。蝶の♀と云えば、殆んどの種が♂よりも一回り大きくて横長になりがちというのが相場なのだ。

実を言うと、この時に撮った写真は1枚も無い。
アサクラミスジは昨日に証拠写真を撮ったから、もういいやとでも思ったのだろう。クソ暑いと大概のことが面倒くさくなるのである。

それが宿に帰ってから、その日の戦利品を整理していて、あれれ(;・∀・)?????、何か変だなと気づいた。
昨日の奴って、こんなだったっけ❓ 違和感を感じたのである。どこか雰囲気が違う気がしたのだ。
慌てて昨日の奴と見比べてみると、明らかに裏面の斑紋が違うではないか。線がギザギザじゃない。それに大きさも全然違ってて、デカイ。
こりゃ、どう見ても別種だわさ。でも、その時点では何という種類の蝶なのかは分からなかった。

帰国後に調べてみると、コレが何と台湾におけるミスジチョウの仲間では、最稀種のエサキミスジだった。
しかも、たぶん中々採れないであろう♀だぜd=(^o^)=b

 
【エサキミスジ Neptis sylvana esakii ♀】
(2016.7.12 南投県仁愛郷 alt.1900m)

 
(^o^ゞハハハ、1年以上ほったらかしだったから、胴体が埃まみれになっとるやないけー。
相変わらず、ええ加減な性格やのう。

アサクラミスジと同じく、ちょっと上翅を上げすぎたかなあ…。
でも、ミスジチョウの類は上翅を下げると、寸詰まりになる。それって何だかモッチャリしててカッコ悪いんだよなあ…。今後の課題です。
まあ、展翅も既存のイメージに囚(とら)われてはならないと思うし、コレはコレでカッコイイような気もするから、良しとしよう。

  
【裏面】

 
確か、この写真は展翅前に撮った写真だな。
あらためてアサクラミスジと見比べてみよう。

【アサクラミスジ ♀】 

 
こうして並べてみると、似てはいるけど全然違うことがよく解る。アサクラミスジは紋がギザギザだ。
斑紋だけでなく、翅形も違う。アサクラミスジの方が丸っこい。
大きさも違うし、こんなの間違うかね?と思うが、きっと裏がこんな色したミスジチョウが他にもまさかいるとは思っていなかったのだろう。だいたいがだ、そもそもが発作的に初の台湾行きを決めて、3日後には出発だったのである。だから旅の仕度で手一杯で、台湾の蝶を調べてるヒマなど無かったのだ。

採れたのは、この♀らしき1頭のみだから、♂の画像を探して引っ張ってこよう。

 

(出典『原色台湾蝶類大図鑑』)

 
ネットでググったが、なぜか標本写真が自分のもの以外は一点も見つからなかった。
情報量が少ないので、せめてでも生態写真を貼りつけておこう。

 

(出典『台湾生物多様性資訊入口網』)

 
イケダミスジなんかにもよく似ているが、裏面の色が全然違う。

 
(出典『原色台湾蝶類大図鑑』)

 
とにかく、採ったのは間違いなくエサキミスジだね。
落ち着いたところで、前へ進もう。

『原色台湾産蝶類図鑑』の解説には、こうあった。

「本種は現在の知見では台湾の特産種。同島産大型ミスジチョウ属の中でも最も稀な1種で、従来記録されたものは4頭にすぎない。」

アサクラミスジもそこそこの稀種だと思われるが、もっと珍しいってことだね。
その4頭の内訳も書いてあった。

 
1♂ 台中州東勢郡(ウライ~ピスタン~サラマオ)1932.7.16 江崎悌三教授採集(本種の記載標本)

1♂ 高雄州阿里山沼ノ平 1932.5.21 梅野明・平貞市採集

1♀ 台北州文山郡檜山 1935.7.1 和泉泰吉採集

1♀ 台北州文山郡チャゴン~檜山 1935.6.28 和泉泰吉採集

 
州となっているのは、昔の台湾の行政区分の時代だからだろう。現在は縣(県)となっている。因みに、図鑑は1960年刊行である。

それにしても、たった4頭かあ…。
ネットで調べても画像は少ないから、おそらく現在でも稀種の座にあるものと思われる。

 
【学名】Neptis sylvana (Oberthür, 1906)

台湾のものは亜種 esakii(Nomura, 1935)とされている。
原色台湾蝶類大図鑑では、「Neptis esakii」という学名になっていたので、てっきり独立種で台湾の固有種かと思いきや、亜種なんだね。
昔の図鑑と今の図鑑とでは学名が変わっていることがしばしばあるので、注意が必要だすな。

属名 Neptisはラテン語の「孫娘、姪」の意。
小種名 sylvana(シルバニア)の語源もラテン語で「森林、樹林、森の土地」を意味するものと思われる。
亜種名 esakiiは日本の昆虫学者 江崎悌三博士(註1)に献名されたもの。和名もそれに因んでいる。

 
【台湾名】深山環蛺蝶
 
訳すと、深山に棲むミスジチョウって事だね。
別名に、林環蛺蝶、淺色三線蝶、森環蛺蝶、江崎環蛺蝶、江崎三線蝶がある。
林環蛺蝶と森環蛺蝶は、学名の小種名由来であろう。
淺色三線蝶は、淡い色のミスジチョウという意味で、裏面の色を指しての命名だろう。
江崎環蛺蝶と江崎三線蝶は、和名からの命名であるに違いあるまい。

 
【英名】
 
特に無さそうだ。
ミスジチョウ属の英名はGlider(滑空するもの)だから、もしつけるとすれば『Deep Forest Glider』辺りが妥当かな。

  
【分布】
 
台湾では、北部から中部の山地帯に見られる。
台湾以外では、中国南西部(雲南省)とミャンマー北部に分布する。
中国南西部のものが原名亜種 sylvana sylvana となる。台湾の他には亜種は無いようなので、ミャンマーのものも原名亜種に含まれるものと思われる。

分布図は、今回も杉坂美典さんからお借りしよう。

 
(出典 杉坂美典『台湾の蝶』)

 
中国南西部と台湾とにかけ離れて孤立分布しているのがよく解る。分布が狭いゆえ、アサクラミスジよりも稀種度が高いのも容易に想像できるね。
でも、こんなに分布が離れてるなら、もう別種でええんとちゃうのん❓などと素人は考えちゃうなあ。
両者が分断してから相当長い時間が経っているワケだし、遺伝子解析したら別種って事になるんでねえの❓

 
【生態】

開長55~65mm。
「原色台湾蝶類大図鑑」によれば、「資料より判断すれば本種は台湾中北部~中部のかなりの山地帯に産するもので、その出現期は5~7月。食草・幼生期は勿論未知。」とある。
一方、杉坂美典さんのブログには、台湾の北部・中部の低・中・高標高(600m~2500m)に産し、発生は5~8月の年1化としている。
両者の記述に大きな齟齬はないが、気になるのは標高についてである。低地でも得られているのだろうが、自分の採集地点や台湾名の深山環蛺蝶と云う名前からも、おそらく垂直分布は高地寄りだろう。

ネットの情報だと、常緑の広葉樹林の林縁および林冠で見られるという。
林冠で活動するとなれば、アサクラミスジよりも活動場所は高所なのかもしれない。日本のミスジチョウも梢上を好むので、同じような生態だと考えられなくもない。一方、コミスジなどはわりかし低い所を好むから、アサクラミスジはコミスジ寄りの生態なのやもしれぬ。同じば場所で、互いに空間を上下に棲み分けている可能性はある。
森林性が強く、湿地で吸水したり、動物の糞尿に集まる習性もあるようだ。

雌雄同形で、♀は♂よりも一回り大きく、翅形が丸みを帯びると考えられる。
アサクラミスジと同じく♂は前脚に毛が密生するが、♀には殆んど見られない。
コレは両種の裏面横からの画像でも確認できるので、ヒマな人は拡大してみて下され。両種とも♀だと解ります。

 
【幼虫の食餌植物】

台湾のサイト『DearLep 圖錄檢索』では、こうなってた。

寄主資訊
中名  學名
(未填寫) (未填寫)

未填寫というのは、未解明という意味だろう。つまり、食樹は未知だと云うことである。
しかし、ネットの『台湾生物多様性資訊入口網』には、幼虫はブナ科植物の葉を食べると書いてあった。だが、それ以上の詳しい記述は無く、具体的な植物名は挙げられていなかった。
ブナ科かぁ…。何かの間違いじゃないのか❓ミスジチョウとブナ科なんて全然イメージに無い。ブナ科を食ってるミスジチョウなんていたっけか❓

世界的にみると、Neptis属の食樹はマメ科やアサ科(旧ニレ科)のエノキ属、及びアオギリ科が多い。
ここは一度原点に帰って、改めて日本のNeptis属の食樹を確認しておこう。
『日本産蝶類標準図鑑』に拠れば、以下のようなものが食樹が挙げられている。

(コミスジ)
ハリエンジュ、フジ、ハギなど各種マメ科。稀にクロツバラ(クロウメモドキ科)、ケヤキ、ハルニレ、エノキ、ムクノキ(旧ニレ科)、アオギリ(アオギリ科)、タチアオイ(アオイ科)にも幼虫がつくことがある。

(リュウキュウエノキ)
コミスジと同じくマメ科全般を食う。奄美大島では旧ニレ科のクワノハエノキ(リュウキュウエノキ)からも幼虫が発見されている。

(フタスジチョウ)
ユキヤナギ、シモツケ、コデマリなどのバラ科。

(ホシミスジ)
フタスジチョウと同じくユキヤナギなどのバラ科。
シバザクラ(ハナシノブ科)でも幼虫が見つかっている。

(オオミスジ)
ウメ、アンズ、スモモ、モモ、エドヒガンザクラなどのバラ科。

(ミスジチョウ)
イロハモミジなどのカエデ科全般とカバノキ科のアカシデ、クマシデ、サワシバ。

ここで驚くべき記述にブチ当たった。
「ブナ科も食草となる記録もあり、クヌギで幼虫を発見し、飼育した結果、羽化したという報告、飼育中の幼虫3頭が横にあったナラガシワにうつり、ナラガシワを食べて蛹化、羽化したという報告があり、大きさは正常のものと違わなかったという。」

これは、エサキミスジの食樹がブナ科というのも有り得ると云う事だね。ブナ科だとすれば、はたして何だろう?
常緑のカシ類なのかな、それとも落葉性のコナラ類なのかなあ?上の例だと、おそらく落葉性のコナラ属かと思うが果たしてどうだろう?ブナ科とは全く別な意外なものが食樹になっている可能性もあるので、まあ予断はよしておこう。本当は他の科の植物がメインのホスト植物で、ブナ科はあくまでもサブ的な食餌植物というケースも無きにしもあらずだからだ。

ついでながら言っておくと、日本には他にもミスジと名のつくシロミスジというのが与那国島に土着している。しかし、これは似てはいるものの Neptis属ではなく、近縁関係のAthyma(ヤエヤマイチモンジ属)に含まれるので、除外した。食樹はトウダイグサ科のヒラミカンコノキ。

気になるので、台湾の他のNeptis属の食樹も可能な限り調べてみた。

(チョウセンミスジ)
カバノキ科 クマシデ属のCarpinus kawakamii。他にホソバシデ、シマシデなども食し、シデ類やハシバミ類を好むようだ。

(スズキミスジ)
アサ科エノキ属(ナンバンエノキ等)とマメ科(クズ等)が中心だが、シクシン科、アオイ科、イラクサ科の記録もある。

(タイワンミスジ)
主にマメ科と旧ニレ科(エノキ類)を食し、アオギリ科、イラクサ科、トウダイグサ科、シソ科など他の広葉樹も広く利用している。普通種たる所以だ。

こうして各ミスジチョウの食樹をみると、はたと思う。
食樹の嗜好傾向で、ある程度グループ分けが出来るのではないだろうか❓。
コミスジなどの小型種はマメ科と旧ニレ科のエノキ属を中心に幅広く色んな植物を利用している広食型で、これにはコミスジの他にリュウキュウミスジ、スズキミスジ、タイワンミスジなどが挙げられる。一方、ミスジチョウなどの中大型種は、マメ科、旧ニレ科とは別な科の植物を食樹としていて、決まった科以外の植物はあまり食べない狭食性のものが多いのではないだろうか。ミスジチョウ、オオミスジ、ホシミスジ、チョウセンミスジ、アサクラミスジなどが、このグループに含まれる。たぶん、同じNeptis属でも、両者は種群が違うのではなかろうかと推察する。

(ホリシャミスジ)
これも後者のグループに含まれるかと思う。
エサキミスジとは裏の地色が異なり、一見かなり違う印象をうける。しかし、よく見れば裏も表も斑紋パターンが似ていて、一番近い関係なような気もする。

 

 
(裏面)

 
コレだけではちょっと分かりにくいから、図鑑の両者が並んでいる画像を貼りつけよう。

 
(出典『原色台湾蝶類大図鑑』)

 
上がホリシャで下がエサキである。 
こうして並んでいるのを見ると、両者の関係がかなり近いように見えてくる。

圖錄檢索に拠れば、ホリシャミスジの食餌植物に以下のようなものが挙げられていた。

樟樹 Cinnamomum camphora
クスノキ科 ニッケイ属 クスノキ

長葉木薑子 Litsea acuminata
クスノキ科 タブノキ属 ホソバタブ(アオガシ)

黃肉樹 Litsea hypophaea
クスノキ科 タブノキ属 タブノキ

假長葉楠 Machilus japonica japonica
クスノキ科 ハマビワ属 バリバリノキ

豬腳楠 Machilus thunbergii
クスノキ科 ハマビワ属 タイワンカゴノキ

臺灣雅楠 Phoebe formosana
クスノキ科 タイワンイヌグス属 タイワンイヌグス

 
何とクスノキ科を食っている❗変わり者だわさ。
コレには驚いた。クスノキを食ってるミスジチョウがいるだなんて、夢にも思わなかった。タテハチョウ科で、クスノキ食ってる奴なんて珍しいよね。そんな奴、いたっけ?クスノキといえば、食樹にしてるのは、アゲハ類くらいだろう。
でも、エサキミスジの食樹がクスノキ科とは思えない。もしそうだったとしたら、こんなに稀種なワケがなかろう。いや、待てよ。非常に特殊で稀なクスノキ科の植物だけを食べている可能性も捨てきれないよね。

まあいい。それよりも問題なのはミヤジマミスジだ。
『アジア産蝶類生活史図鑑』に拠れば、アサ科のTrema olientalis(ウラジロエノキ)だと判明している。しかし、DearLep 圖錄檢索だと、エサキミスジの項と同じように未填寫となっているのだ。つまり、エサキの食樹が未知かどうかも疑っておくべきだと云うことだ。
とは云うものの、エサキミスジの幼生期の画像は一切見つからない。一番近い関係なのではないかと推察するホリシャミスジの幼生期もナゼか一切見つからない。お手上げである。この辺が潮時だろう。
仕方がないので、参考としてアサクラミスジとミスジチョウの幼生期の画像を添付して終わりにしましょう。

 
【アサクラミスジ】

(出典『DearLep 圖錄檢索』)

 
【ミスジチョウ】

(出典 手代木 求『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑 タテハチョウ科』)

 
遠く台湾の山河に思いを馳せる。
またいつかエサキミスジに会えるだろうか❓
脳裡に、高い梢の上を滑るようにして優雅に舞う姿が浮かんだ。その空は、どこまでも青かった。

 
                 おしまい

 
追伸
エサキミスジの採集記は別ブログにあります。

 
発作的台湾蝶紀行39『揚羽祭』

 
発作的台湾蝶紀行40『ダブルレインボー』

 
発作的台湾蝶紀行57『踊る台湾めし』

 
青文字をタップすれば記事に飛びます。
また、当ブログには、オスアカミスジの回にチラッと登場します。

 
台湾の蝶10『オスアカミスジ』

 
よろしければ、コチラも読んでくだされば幸いです。

 
(註1)江崎悌三博士
えさき・ていぞう(1899年生~1957没)
明治生まれの著名な昆虫学者。東京に生まれ育ち、1923年(大正12年)東京帝国大学理学部動物学科卒。同年九州帝国大学助教授に就任。1924年、研究のため渡欧し、1928年に帰国。1930年九州帝国大学教授となる。のちに九州大学農学部長、教養部長、日本学術会議会員、日本昆虫学会会長、日本鱗翅学会会長などを歴任した。水生半翅類(タガメ、ミズカマキリなどの類)の世界的権威で、国際昆虫学会議常任委員として国際的にも活躍した。昆虫全般、動物地理学、動物関係科学史にも造詣が深く、全国の昆虫研究者の尊敬と信頼を集め、また昆虫少年たちにも多大なる影響を与えた。水生半翅類の分類のほか、日本とその近隣のチョウ、ミクロネシアの動物相、ウンカの生態などの研究にも大きく貢献した。
昆虫の名前に博士の名を冠したものも多く、エサキミスジの他にもエサキオサムシ、エサキキチョウ、エサキモンキツノカメムシ、エサキタイコウチ、エサキキンヘリタマムシ等々多数の名前が残っている。
著書に「動物学名の構成法」「土壌昆虫の生態と防除」「太平洋諸島の作物害虫と駆除」などがある。
昆虫関連の共著・監修には以下のようなものがある。

・『日本昆蟲圖鑑』石井悌,内田清之助,川村多実二,木下周太,桑山覚,素木得一,湯浅啓温共編 北隆館 1932
・『原色日本昆虫図説』堀浩、安松京三共著 三省堂 1939
・『原色少年昆虫図鑑』河田党共著 北隆館 1953
・『原色昆虫図鑑 学生版 第2 甲虫・半翅類篇』素木得一,高島春雄共著 北隆館 1955
・『原色幼年昆虫図鑑』共監修 北隆館 1956
・『原色図鑑ライブラリー 第22 蝶』監修 北隆館 1956
・『天然色昆虫図鑑』監修 学習研究社 天然色生物図鑑シリーズ 1956
・『原色日本蛾類図鑑』一色周知、六浦晃、井上寛、岡垣弘、緒方正美、黒子浩共著 保育社の原色図鑑 1957-58

また、翻訳も手掛けてられている。

・ビー・ピー・ウヴァロフ『昆虫の栄養と新陳代謝』国際書院 1931
・ヘンリー・ジェームズ・ストヴィン・プライヤー『日本蝶類図譜』白水隆校訂 科学書院 1982

ほかに雑文や著作を纏めたものもある。

・『江崎悌三随筆集』江崎シャルロッテ編 北隆館
・『江崎悌三著作集』全3巻 思索社 1984

著作集は、日本の蝶の学名の命名に関して興味深い記事もあり、蝶屋必見のようだが、読んだことはないです。
また、随筆集を編んだのは妻であるシャルロッテ。
ドイツ留学中に恋に落ち、博士は365日間毎日欠かさずに彼女にラブレターを送ったという。夫人は日本で、ドイツとの文化交流にも尽力し、名を残しているので、興味がある方は調べてみてもよろしかろう。
因みに本文の最後のエサキミスジが飛ぶ一節には、この夫人のイメージも重なっている。夫や子供たちを空から見守る姿であったりとか、2頭が江崎夫婦のように仲睦まじく飛んでいる姿であったりとかがリンクして、頭の中にはあった。それを文章化する事も考えたが、そうなると1から文章を組み直さなければならないので断念した。もしも、そうなってたらタイトルも『華麗なる一族』とかになっていたかもしれない(笑)
余談はまだまだあって、博士の母方は江戸時代の蘭学者として有名な杉田玄白の家系にも繋がっている。また、息子は「よど号ハイジャク事件」の時のパイロットである。その他、親戚縁者には名前がある人が多いようだ。

 

殿、御狼藉。雛ちらし寿司祭

 
昨日は雛祭でおましたなあ。
ワテは男衆やし、関係あらしまへん。
せやけど、スーパーは雛まつり一色やんかあ。
海老も特売りどすし、自分でもこさえまひょ。

海老は赤海老どした。
アルゼンチン御出身でごわす。それが1匹33円ざました。3月3日で、33円セール。イージーな語呂合わせでおますなあ。

先ずは海老の頭を取り、殻を剥きますねん。それを捨てずに熱湯にブチ込むんでっせ。海老から出汁を取るんだす。地獄の釜もさもありなん。あんじょう成仏してやってやあ~。
その出汁に海老をサッとくぐらせ、霜降りにしやし。
こうすると、海老の色が鮮やかになって甘みも増すんどすえー。
殻を取り除いて、その出汁で米を炊きまする。
で、炊き上がったら「すしのこ」かけて、ポン酢もチャチャとかけて熱いうちに混ぜ合わせましょ。人肌まで温度が下がったら盛り付けでおます。

あらかじめ作っておいた錦糸玉子をご飯の上に敷き詰めまひょ。
青物は春らしく菜の花を飾ろうと思ったのだが、スーパーの陰謀でバカ高いゆえ見送りもうした。

 

 
海老にちょぼっとお醤油をつけて食べませう。
(о´∀`о)おほほ、海老の出汁が効いてて、美味しおすなあ。
海老の頭は味噌が詰まってるので、チュウチュウしまひょ。はたから見たら、アホぼんみたいに見えまっせ。

実を申しますと、もっと絢爛豪華にしてやろ思いましてなあ、鯛の刺身も用意してたんおすえ。
せやけど、到底乗っかりそうもおまへんので、二部構成にしたんどすえ。豪華ひな祭ちらし寿司二段構えでおます。

 

 
向きが決まりまへん。
何度も器をあっちゃこっちゃ回して写真を撮りますえ。

 

 
こっちは鯛の刺身を削ぎ切りにして、白胡麻を振っただけどす。

(・∀・)……、むぅ…。
美味しいんどすえ。美味しいんどすけど、海老出汁の寿司めしがちょいと邪魔しやはります。鯛は美味しいどすけど、ちょっとだけミスマッチかもしれへんわ。

そして、お雛さんといえば、これどっしゃろなあ。

 

 
そうどす。蛤の吸いもんだす。
昆布だしに塩、酒、薄口醤油を入れて沸騰させる。
そこへ蛤姫を強引にブチ込む。

お殿様、そんなごむたいな。
やめておくれやす、やめておくれやす。
Ψ( ̄∇ ̄)Ψぬはははは…、やめてくれと申して誰がやめるものがおるかあー。お主は買われてきた身、こうなる事は百も承知であろうが、観念しいや、グフグフグフ。
体が火照って、熱おす。
堪忍しておくれやす、堪忍しておくれやすぅー。
くるくるくるくるくる~。
なりませぬ、お殿様なりませぬぅ~。
パッカァ ━━━━━━━━ ン。

口が空いたところで、やおらグッタリとなったハマグリ娘を一旦取り出す。適度な余熱で火を通すためでごしゃるよ、服部半兵衛。
で、ガッとダシ出汁の温度をあげる。煮立ったら、器に移しておいた蛤にかけて出来上がり~。

( ☆∀☆)ピキャー、美味いのう。
いやはや、この蛤の吸い物というのは堪りまへんなあ。コハク酸の旨みが心を蕩けさせ、陶然となる。柔らかな蛤の身もエロチックに美味いなりよ。
 

                  おしまい

 
追伸
いつもにも増して低能な文章を書いてしまった。
ここんとこ、蝶の話が多かったので、ストレスが溜まってたんだろね。

因みに少しだけ余った御飯は、夜に自家製の茗荷の梅漬けを乗っけて食べた。

 

 
これまた抜群に旨かったっす(*´∀`)♪

 
 

台湾の蝶27『朝倉の君(きみ)』

 
   第27話『朝倉三筋』

  
アサクラミスジに会ったのは一回だけだ。

標高約1900m。尾根筋でホッポアゲハを待っていた時だった。
ホッポが全然飛んで来なくて、クソ暑いし、グッタリ気分で所在なげに座っていたら、低空飛行で右横からパタパタ飛びでやって来た。
ミスジチョウの仲間にしては何か変やなあと思いつつ、ぞんざいに網を振ったら、こんなんやった。

 
(2016.7.11 南投県仁愛郷)

 
東南アジアでは見たこともないミスジチョウだったので、驚いた。沈みがちの心に、💡ポッと灯りがともったような気がしたのを憶えている。

 
展翅すると、こんな感じ。

 

 
今思えば、上翅を上げ過ぎたかもしれないなあ…。
触角の角度と頭の位置、および上翅との距離を基準に展翅してるから、こないな風になったんだろね。お手本が少なくてイメージがインプットされてない蝶だと、ままそんな事もあるわな。

それにしても、コレって翅が丸くて♀っぽいけど、♀なのかなあ❓
この1頭しかないので、雌雄と裏面の画像をネットから引っ張ってこよう。

  
(出典『OXFORD ACADEMIC』)

 
上が♂で下が♀である。
(゜ロ゜)ありゃま、♂も翅が円いんでやんの。困りましたなあ。
しかし、あとで調べたらどうやら♀のようだ。♂は前脚に毛が密生しているが、♀は無毛らしい。冒頭の写真の前脚は無毛だから♀でいいかと思う。根元の基節が体毛に埋まってて微妙だけど、たぶん間違いなかろう。

それにしても、やはりこの裏面はミスジチョウ類としては独特のデザインで変わってる。色も薄い。この仲間は、だいたいが焦げ茶や濃い赤茶色なのだ。

 
【ミスジチョウ】

 
【タイワンミスジ?】

 
上は日本のミスジチョウ。下は台湾のもの。
タイワンミスジ?としたのは、台湾には似たようなミスジチョウの仲間が沢山いて、同定がややこしいのだ。
まあ、たぶんタイワンミスジであってるとは思うけど。

 
【学名】Neptis hesione podarces(Nire, 1920)

Nymphalidae タテハチョウ科 Neptis ミスジチョウ属に分類される。

属名 Neptis はラテン語の『孫娘、姪』のこと。
小種名の hesione はギリシア神話の女神ヘーシオネー(ヘシオネ)が由来だろう。
ヘシオネはトロイア(トロイ)王ラーオメドーン(ラオメドン)の娘で、ティートーノス、ラムポス、ヒケターオーン、クリュティオス、ポダルケース(プリアモス)、キラ、アステュオケーと兄弟である。サラミース島の王テラモーン(テラモン)との間にテウクロスを産んだ。

ちょっと引用が長いけど、亜種名とも繋がるのでもう少し補足説明しよう。

ヘシオネの父ラオメドンは、アポロンとポセイドンを雇ってトロイアに城壁を築いたが報酬を支払わなかった。このためトロイアは神の怒りに触れ、ポセイドンは海の怪物を送り込んでトロイア人を襲せた。ラオメドンは災厄から逃れるため神託に従ってヘシオネを怪物に捧げた。そのときヘラクレスがやって来て、怪物を倒し、ヘシオネを救い出した。しかしラオメドンはヘラクレスにも報酬を払おうとしなかった。ヘラクレースは復讐を誓ってトロイアを去っていった。
後にヘラクレスはトロイアを征服し、ヘシオネはラオメドンや他の兄弟と共に捕らわれた。ヘシオネはヘラクレスに助けてほしい者を1人選べと言われ、ポダルケスを選んだ。さらに何か代償を払えと言われたので、頭からヴェールをとって代償とし、ポダルケスを自由の身にした。ラオメドンと他の兄弟たちは殺され、ヘシオネはテラモンに与えられて、その妻となる。またポダルケースはこれにちなんでプリアモスと呼ばれるようになった

亜種名 podarces は、おそらくギリシア神話のポダルケスに因んだものだろう。ポダルケースとも言い、イピクロス(ラオメドン)の子で、トロイア王プリアモス(註1)の本名でもある。
姉はヘシオネだから、何と学名に姉と弟の名前が並んでいるのだね。ちょっと微笑ましい。

この蝶は、仁礼景雄氏(1920)が1918年6月に埔里で得られた1♂をもとに、亜種として記載されたものである。
同年7月に花蓮港(花蓮県の昔の呼び名)で得られた1♀によって松村博士の記載した Neptis karenkonis は、タッチの差でシノニム(同物異名)になっている。アサクラミスジの別名カレンコウミスジは、おそらくその辺からの由来だろう。

原名亜種 Neptis hesione hesione(Leech,1890)は、「原色台湾蝶類大図鑑」によれば中国西部にいて、翅表の白帯が濃黄色を呈する。

 

(出典『jpmoth.org 』)

 
へぇ~、キミスジみたくなるんだ。面白い。
Neptisには斑紋が黄色い系統がいるのは知ってるけど、白い系統と黄色い系統はそれぞれ別な系統だと勝手に思ってた。ところがどっこい、一つの種に黄色いのも白いのも内包されてるんだね。
とゆうことは、環境、その他の要因に拠って、そもそも白にも黄色にもなり得る遺伝子みたいなものが本属の中にはあるって事なのかな?

上に示した画像の個体は、四川省で採られたもののようだ。
たぶん四川省と台湾の間には、濃い黄色と白い斑紋との中間的なクリーム色のものがいそうだ。或いは、黄色いのと白いのが両方混在する移行地帯みたいな所があるかもしれない。

杉坂美典さんのブログ『台湾の蝶』によれば、中国の南西部・南部・東部に分布しており、西蔵自治區、雲南省、四川省、湖北省、広西自治區、湖南省、広東省、浙江省、福建省に記録があるそうだ。
「原色台湾蝶類大図鑑」の時代と比べて、分布地が随分と増えている。これはその後に分布調査が進んだと云う事なんだろね。
一応、杉坂さんのサイトの分布図をお借りして貼付しておきましょう。

  
(出典 杉坂美典『台湾の蝶』)

  
この分布図ならば、ラオス北部なんかに居てもおかしかない。もしかして、コレって採った事あるのでは?
と一瞬思ったが、この特徴的な裏面からそれは無いなと直ぐに考え直した。採ってれば、この特徴的な裏面ならば憶えてる筈だもん。

 
【台湾名】蓮花環蛺蝶

花蓮じゃなくて、蓮花?
なぜ前後がひっくり返っているのかワカンねえや。
蛺蝶はタテハチョウのことだから、環はおそらくミスジチョウ属(Neptis)の模様を指しているのだろう。

別名に花蓮三線蝶、朝倉三線蝶、齒紋環蛺蝶などがある。
三線は表翅の三本の線を表し、朝倉は和名に因んだものだと推察される。
齒紋は中国の字体だけど、ようするに歯みたいな紋だと言いたいのだろう。きっと後翅裏面の鋸歯状の紋のことだね。

 
【英名】

特に無し。
英名のある蝶はヨーロッパやアメリカなどの欧米のものには当然ついているとしても、他は限られてくると云うのが現状だ。欧米以外では、インドなど欧米に植民地支配されていた地域には英名がついているものがそこそこある。あとは特別に美しいとか、非常に個性的な蝶には英名がついている場合がある。
例えば日本のオオムラサキには、「The Great Puple Emperor」という英名がついている。
一応、Neptis(ミスジチョウ)属は「Glider(滑空するもの)」と呼ばれているようだ。
例を挙げると、コミスジには「Comon Glider」という英名がある。Comonは「普通の」とか、「民衆の」とかだね。Gliderは、おそらくその飛び方に対しての命名だろう。ミスジチョウは余り羽ばたかずに、スウーッ、スウーッと滑るように飛ぶからだろう。

と云うワケで、勝手に独断と偏見でアサクラミスジにも英名をつけてしまおう。

取り敢えず『Muse Glider』なんてのはどうだろうかしら❓「女神」由来でつけてみた。
悪かないけど、自分的には今一つシックリこない。

ならば、『Princess Glider』。
なんて、ヽ(・∀・)ノでや❓
プリンセスはお姫様とか王女と云う意味だから、トロイの王女には相応しい。それにアサクラミスジはミスジチョウとしては小さい。姫と云うイメージにも合致する。しかも稀種なれば、異論はそうはなかろう。

蛇足だと思うけど、台湾亜種にも英名をつけちゃおう。
『Last Troy King』。
トロイの最後の王だからなんだけど、捻り一切無しだな。他に良いのが浮かばないし、暫定ということで、次へ進みましょう。

 
【生態】
開長45~52㎜。♀は、若干翅形が丸くなり、♂は前脚に長毛が密生し、♀は無毛なので区別できる。
台湾では、北部から中部の低山地から高地(300m~2500m)にまで見られるが、その分布は局所的。
『原色台湾蝶類大図鑑』によれば「個体数は極めて少ないものと思われる。」とある。
同図鑑によれば、発生期は年一化。成虫は6~9月に発生するとされている。一方、杉坂さんのブログには、成虫は3月下旬~9月上旬に現れ、羽化期にかなりのズレがあって長期にわたって見られることから、発生回数が複数である可能性もあると云う見解を述べておられる。

成虫は各種の花を訪れ、獣糞にも集まる。♂は吸水にも訪れるようだ。
一度しか採った事はないが、おそらく基本的な飛び方は他のミスジチョウ類と同じで、そう速くはないだろう。飛ぶ高さも概ね低いと思われる。

 
【食餌植物】

2016年に、以下の論文で台湾産のアサクラミスジの生活史が明らかになったようだ。

Huang, C. L. & Hsu, Y. F., Immature Biology of Nep-
tis hesione podarces(Lepidoptera: Nymphalidae)
in Taiwan, With Discussion on Its Frass Chain
Function. Annal. Entomol. Soc. America. 109(3):357
-365<D>

表題訳は「台湾産アサクラミスジの生活史」。
これにより、本種の食餌植物がクワ科イタビカズラであることが正式に発表された。

ネットで調べたら、Ficus sarmanetosaと出てきたから、それで再度検索しなおしたら、ネパール原産の食用イチジクが出てきた。食用イチジク❓
んなもん、台湾にだってあるだろう。なのに何でアサクラミスジは稀種なんだ❓ワケワカンねえなあと思って、今度はイタビカズラで検索したら漸くらしきものが出てきた。

見ると、実が小さい。ようするに、食用イチジクと聞いて日本の食用イチジクを想像してたワケである。
その後、ちゃんとした食樹名もわかった。

珍珠蓮 Ficus sarmentosa nipponica

 

(上3点とも出典『松江の花図鑑』)

 
日本のものと同じ学名だから、同種みたいだ。
このイタビカズラは新潟・福島から沖縄まで分布する。蔓(つる)性植物ゆえに最近は壁面緑化にも使われているようだから(註2)、誰かが放蝶すれば日本でも定着するかもしれない。誰ぞか、そゆ事しないかなあ(笑)
でも滅多に採れない蝶だし、ましてや♀を捕まえるのは至難だろう。それを生かして日本まで持って帰り、さらに卵を産ませて飼育して、数をある程度累代で増やしてからでないと放蝶はできないだろう。
ハードル高いから、無理っぽいネ。

Neptis属の食餌植物は、マメ科とアサ科(旧ニレ科)のエノキ類が多い。他にアオギリ科をホストとするものもいる。しかし、知る限りではクワ科の植物を食うものはクロミスジ(Neptis harita)くらいしか知らない(註3)。ミスジチョウの仲間としては珍しいクワ科の植物を食樹とする事が、幼生期の解明が遅れた原因の一つともいえるだろう。

 
【幼生期】

最近になって幼生期が判明したので、いつも御世話になっている『アジア産蝶類生活史図鑑』にも、もちろん載っていない。
しかし、探したら台湾のサイトに画像があった。

卵はこんなのです↙。

 
(出典『圖錄檢索』)

 
ちょっとイナズマチョウの卵に似てるけど、典型的なミスジチョウ属の卵である。
デザイン性があって、中々キレイな卵だ。蝶の卵って色んな柄や色と形があって、アートだと思う。

 
幼虫はこんなの↙。

  
(出典『圖錄檢索』)

  
たぶん終齢幼虫だろう。
(^_^;)グロいなあ…。怪獣みたいやんけ。
左が尻で、右が顔みたいだね。
顔だけ白いって、何なん❓

とはいえ、基本的な形態はミスジチョウ属の幼虫だ。
ホシミスジの幼虫に少し似ているかもしれない。近縁と思われるエサキミスジやイケダミスジの幼虫画像は見つけられなかった。参考までにミスジチョウの幼生期を紹介しておこう。

 

(出典 手代木 求『日本産蝶類幼虫・成虫図鑑 タテハチョウ科』)

 
この属独特の顔が笑える。なんちゃってバットマンというか、キャットウーマンというか、はたまたなんちゃってクリオネというか、顔にしまりがなくてダサい。まあ、愛嬌はあるけどね。

残念ながら、なぜか蛹の写真は無かった。
でも幼虫の形態からして、おそらく近似種とそう変わらないと推察する。仕方がないので、ミスジチョウとホシミスジの蛹の画像を貼付しておきましょう。

 

 
(出典 手代木 求『日本産幼虫・成虫図鑑 タテハチョウ科』)

 
上がミスジチョウで、下がホシミスジです。
色も形も少し違うが、基本的には同じような見てくれだ。
だが、アサクラミスジの方が幼虫にワサワサした突起物が多いから、もしかしたら蛹にも何らかの突起物がある異形の者かもしれない。
稀種は稀種ゆえに幼生期も特別なもので、他のモノとは一線を画す個性的な姿であってほしいよね。

 
 
       君が飛ぶ
       日長くなりぬ
       山たづね
       迎えへか行かむ
       朝倉の君(きみ)

 
アサクラミスジとも随分と会っていない。
2016年の夏だから、もう二年以上も経っている。
それも、たった一度きりの逢瀬だった。
今度はいつ逢えるのでしょうか、朝倉の君よ。

 
                  おしまい

  
追伸
今回は、前回のアサクラコムラサキに引き続いてのアサクラ並びで、稀種並びでもある。
当初は残り3つのコムラサキ亜科のどれかを書く予定だったのだが飽きた。本当は読み手のことを考えて、同じ系統のものは纏めて書くべきなのだろうが、このペースだとタテハチョウ科から抜け出すのだって膨大な時間を要するのは明らかだ。と云うワケで、これからも書きたい蝶のことをアトランダムに好きに書いてゆくつもりであります。

アサクラミスジについては、採集記が別ブログにあります。

 
発作的台湾蝶紀行32『(-“”-;)ヤッチマッタナ!』

 
また、本ブログ内に関連記事あり。

 
台湾の蝶10 オスアカミスジ

 
よろしければ、併せて読んでくだされ。

 
最後の創作和歌については、註釈の(4)としてに末尾に解説しておきます。

(註1)プリアモス
ギリシア神話におけるトロイの最後の王。ラオメドン(イピクロス)の息子。トロイがヘラクレスに攻略された時に父王らは殺されたが,彼は幼かった為に命拾いをし,のちに王位を継承した。最初,アリスベを妻としたが,その後ヘカベを妃に迎え,彼女との間にヘクトル,パリス,ポリュドロス,クレウサ,ポリュクセネ,カッサンドラらの子をもうけた。トロイ戦争ではヘクトルをはじめ息子たちの戦死にあい,自らは落城の際,アキレウスの息子ネオプトレモスに殺され,妻や娘たちは捕虜としてギリシア方に連れ去られた。

  
(註2)最近は壁面緑化にも使われている
イタビカズラも使われるが、より葉の大きいオオイタビカズラの方がよく使われるらしい。
オオイタビ(Ficus pumila)はクワ科イチジク属の常緑つる性木本。東アジア南部に分布し、日本では関東南部以西、特に海岸近くの暖地に自生し、栽培もされる。茎から出る気根で固着しながら木や岩に這い登る。オオイタビの名は、イタビカズラに似て大型であることによる。台湾に生育する変種のアイギョクシ(F.pumila var.awkeotsang)は果実を食用に用いる。愛玉子と書き、その果実から作られるゼリーのデザートをオーギョーチ(台湾語のò-giô-chíから)という。
 
(註3)クワ科を食うものはクロミスジしか知らない
「アジア産蝶類生活史図鑑」に拠れば、食餌植物はクワ科の植物であろうと云う推論の域でしかない。マレー半島で幼生期が解明されたのだが、植同定が極めて難しい植物らしい。と云うことはクワ科だとしても、イチジク属ではない可能性が高いのではなかろうか。

(註4)創作和歌について
万葉集の歌のパクリです。
原典は磐之媛命(磐姫皇后)が仁徳天皇に宛てて詠んだもので、『君が行き 日長くなりぬ 山たづね 迎へかん 待ちにか待たむ』です。
訳すと「あなたと離れてからずいぶん長い月日が経ってしまった。あの山道をたずねて迎えに行こうかな。やっぱり待っていようかな」といった意味です。
これは謂わば嫉妬の歌で、妾宅に行ったまま戻って来ない天皇に対するサヤ当ての歌でもあるようだ。
因みに文中の和歌はアサクラミスジを男性ではなく、女性に見立てておりまする。

余談だが、飛鳥時代の豪族に朝倉の君と云う人がいて、光徳天皇に可愛がられたそうだ。
正確な名は不明で「日本書紀」によれば、東国国司の長官 紀麻利耆拕(きの・まりきた)らに勝手に馬の品定めをされたり、弓や布を取り上げられるなどのイジメをうけていた。彼らは罪に問われたが、結局恩赦をうけて罰せられなかったようだ。何か現代社会でもありそうな話で、可哀想だぜ、朝倉の君。
でもイジメたくなるような人だったのかもしれんね。

そういえば、朝倉といえば戦国大名の朝倉義景を頭に浮かばれた方もいると思うが、今回の朝倉の君のモチーフにはなっておりませぬ。あんなダメ大名は無視なのじゃ。